超音波ビームで「ソニックねじ回し」が実現

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スコットランドにあるダンディー大学の物理学者チームが、英BBCのドラマ『ドクター・フー』に登場する万能の道具「ソニック・スクリュードライバー」[対象に触れずに回転させられるねじ回し]のリアル版として使えそうな超音波アレイを作成した。

チームは、超音波ビームを使って、浮動状態にある直径10cmのゴム製円板を持ち上げ、回転させることに成功したのだ。

ダンディー大学の医療科学・技術研究所(IMSAT)に所属するマイク・マクドナルド博士によると、「今回の実験は、基礎物理学の理論を裏付けるだけでなく、超音波ビームをこれまでとは違ったレベルでコントロールできることを示すもので、これを非侵襲的な超音波治療、標的型薬剤送達、超音波による細胞操作などに応用することも可能だ」という。



この研究が用いている理論は、すでに既存研究において証明されているもので、量子通信やバイオフォトニクス[生体と光に関連した研究分野]などの領域において扱われているが、これまでひとつの実験にまとめる形で証明されたことはなかった。その理論とは、ビームを渦状にねじれさせ、DNAの形状に似た、互いに絡み合うらせん構造を多数作ると、渦ビームに角運動量が生じるというものだ。

研究チームは今回、1,000素子の超音波トランスデューサー・アレイを音響ホログラムとして用いることで、絡み合ったらせん構造を多く有する渦ビームを生成できることを示した。強力なこのビームは、重さ90gの円板を浮揚させ、回転させることができる。

ニュースリリースによると、研究チームは「われわれはすでに、標的型薬剤送達や標的細胞治療の分野において、超音波ができることの限界を押し上げつつある」と述べている。さらに、今回の研究では音に対して用いられたが、同じ理論は光にも適用可能だという。

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TEXT BY JASON CRANFORDTEAGUE
TRANSLATION BY ガリレオ -高橋朋子



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