文壇の大御所、浅田次郎氏が「人生のなんたるか」を諭す新連載「人間道場」がスタート。門弟・太朗(26歳)と時に優しく、時に激しく語り合う

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 直木賞作家、浅田次郎(60歳)氏が、4月23日発売の『週刊プレイボーイ19・20合併号』で、連載コラム「人間道場」を開始した。

「人間道場」とはその名の通り、浅田氏が人生の師範となり、同誌のメイン読者である20代の若者たちに「人生の何たるか」を、時に優しく、時に激しく諭(さと)していく連載。浅田氏が一方的に語りかけるのではなく、門弟の担当編集者・太朗(26歳)が登場し、ふたりで論を交わしながら核心に迫る構成になっている。

 浅田氏は、1997年に『鉄道員(ぽっぽや)』で直木賞を受賞。ほかに吉川英治文学新人賞、柴田錬三郎賞、中央公論文芸賞、司馬遼太郎賞、吉川英治文学賞、毎日出版文化賞など、数々の文学賞を受賞してきた日本文壇の重鎮である。だが一方で、裏社会に関する造詣も深く、関連書物も多数執筆。また人物像は、ヘビースモーカーで生粋のギャンブル好きとして知られる。

 叙情あふれる純文学作家の顔と、遊びを知り尽くした人間くさいオヤジの顔を併せ持つ浅田氏は、若者に「人生の何たるか」を教示するには、まさに最適の人物ともいえる。

 連載第1回目では門弟・太朗に、いきなり「君は、タバコは吸うの?」と問いかける。太朗が喫煙どころか、むしろ“嫌煙”であることを告げると、すかさず「ふーん。バクチは打つ?」と畳み掛ける。競馬も麻雀も一切やらないと返すと、「そんなヤツがなんで僕の担当なんだ」と首をかしげる。

 だが、26歳の太朗も負けていない。「お言葉ですが先生、最近の若い者はだいたいこんなもんです」と返す。こうして、人生を知り尽くした60歳の男と、まだ青臭い26歳の男が本音で語り合っていく。

「最近の若い者は」という言い方は好きではない、と語る浅田氏だが、あえて「最近の若者像」をたずねたところ、こう語りだした。

「そうだな……、個性がなくなってきているという気はするな。それは、今の日本社会に格差が少なくなってきているからだと思う。ニュースではよく言われているけど、今の日本の世の中が格差社会だなんて、ぜいたくでわがままだよ。僕らの時代だって、ずいぶん格差は縮まっていた。それでも、経済的な理由で中学から高校に行けない子供もざらにいたからね。今はそこまでではないだろう。

 これは僕の持論なんだけれど、『食べられないこと』『命の危険にさらされていること』、このふたつに比べたら、ほかのことなんて案外大したことではない。週プレの読者は毎週雑誌を買えるのだから、そのふたつには該当しないはずだ」

 これからどんな“金言”が放たれるか。心のどこかに悩みを抱えた男性は、ぜひ一読を。

(撮影/薮下剛士)

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