ディスカバリー、そしてスペースシャトルの来し方行く末(動画あり)

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本当におつかれさまでした!

スペースシャトル・ディスカバリーは4月17日、ボーイング747を改造したスペースシャトル専用輸送機に載せられて首都ワシントンの米国立航空宇宙博物館に向かいました。スペースシャトル計画は、いま本当にその最後の1ページを閉じようとしています。

1984年に初めて打ち上げられてから、ディスカバリーはスペースシャトル計画の象徴的役割を果たしてきました。7人の乗組員が死亡する悲劇となったチャレンジャー号の爆発事故の後にシャトルの飛行を再開したのも、ディスカバリーでした。また、2003年のコロンビア号空中分解事故の後も、ディスカバリーが最初に宇宙に戻っていきました。他にも、初めて国際宇宙ステーションとドッキングしたり、ハッブル宇宙望遠鏡を軌道に送り出したりと、宇宙開発の歴史にマイルストーンを残してきました。
 

 
ディスカバリーの最後のフライトは多くの人に見守られ、ワシントン上空を旋回して締めくくられました。まさにそんな風に見送るのにふさわしい、歴史に残るシャトルでした。

スペースシャトルは現在、ディスカバリーを含めて3機存在しています。残りの2機、エンデバーアトランティスも来年にかけて引退し、それぞれカリフォルニア科学センターケネディ宇宙センターのビジターセンターで余生を過ごすことになります。寂しいですが、これは避けられない事態でした。シャトルたちはすでに実用性を失っており、肝心の予算も尽きてしまったのです。


とはいえ、宇宙旅行がこれからできなくなるわけじゃありません。むしろ、4月30日にはスペースX民間企業としては初めて国際宇宙ステーションへの飛行を予定しています。でも、民間の観光目的のシャトルには、スペースシャトルでNASAが行なってきたようなチャレンジは期待できません。

スペースシャトルは非常にコストがかさみ、安全問題も無数に起こるようになっていました。何よりその存在意義が、スペースシャトル計画開始当初からは大きく変化していました。一般の人でも、お金を出せば低軌道ながら宇宙旅行ができる時代が始まっているのです。NASAはもっともっと遠く、人類の限界を広げるべく努力していく存在です。そして、ディスカバリーのような従来のシャトルでは、その新しい領域に飛び込むことは不可能なんです。

2010年にコンステレーション計画打ち切りが決まり、次のNASAの有人宇宙飛行計画はあと20年以上先になりそうです。その実現までには、コストや実用性などのさまざまな障害があると思います。でも、晴れて再び飛び立つときには、きっと我々の宇宙への理解をさらに深めてくれることでしょう。これまで、ディスカバリーがしてくれていたように。



[NASA]

Kyle Wagner(原文/miho)