新年度が始まって2週間。各企業からは早くも新入社員が扱いづらいという声が聞こえてくる。しかしそんな彼らの行動についても、彼らなりの理由があるのだという。

 人事育成コンサルティング会社の代表を務める前川孝雄氏は、新入社員は「攻略世代」でもあると話す。

「ゲームを攻略するためのマニュアル本があるように、彼らはすでにあるマニュアルに沿ってなんでもやろうとするのが特徴。大学受験にしても『効率の良い勉強の仕方』や、就職活動にしても『エントリーシートの書き方』など、各種のマニュアルがあふれていて、彼らはそのマニュアルに沿って対策をたててきた。彼らにとっては、自分の周りに攻略するツールやマニュアルがあることが当たり前になっているのです」

 仕事や人間関係には「正解」がないことやマニュアルが通じないこともあるのだが、それが彼らには理解できない。

 さらに前川氏は、彼らが育ってきた社会状況もマニュアル化を加速させたと分析する。

「彼らはバブル崩壊後の不景気の中で成長しました。不景気が続く中、非正規雇用やフリーターが増えることで、人が変わってもすぐに仕事ができるよう企業にはマニュアルが必須になったのです。学生時代にそういうところでアルバイトをしているのですから、社会はそういうものだと思っているんですよ」

 また、効率よく「正解」に近づこうとする意識が非常に強いという。

「新入社員に調べ物を頼んだら、10分もしないうちに『わかりませんでした』といってきた。『そんなにすぐにはわからないだろう』というと、『グーグルにないんですから、いくら調べてもありませんよ』とキッパリ。ネット世代の彼らにとって、グーグルの情報がすべてなんですかね」(40代・流通業)

※週刊ポスト2012年4月27日号