攻撃が途切れることがない、融合体MMAを体現するローリー・マクドナルド、弱冠22歳

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今週末21日(土・現地時間)、ジョージア州アトランタのフィリップス・アリーナでUFC145「Jones vs Evans」が行われる。因縁のジョン・ジョーンズ×ラシャド・エヴァンズ、UFC世界ライトヘビー級選手権試合がメインの同大会では、ウェルター級GSP繋がりの2人の注目ファイターが揃い踏みとなる。

一人目はGSP2世という声も聞こえてくるローリー・マクドナルドだ。GSPと同じカナダ人ながら、太平洋岸の英語圏ブリティッシュ・コロンビア州出身の22歳。14歳のときに、トーシドーMMAで格闘技キャリアをスタートさせたマクドナルドは、ベースに他の格闘技を持たない生粋のMMAファイター、新時代の旗手といえる。

20歳の時に、キャリア9連勝でズッファと契約したマクドナルドは、当時の最年少契約記録を作った。UFC2戦目で現暫定ウェルター級王者カーロス・コンディットのヒジで逆転TKO負けを喫したのを機に、モントリオールに移りGSPが所属するトライスタージムでトレーニングを積むようになった。

やや負傷しがちな点は気になるが、それ以降、ネイト・ディアズ&マイク・パイルという実力者を相手に、圧倒的な強さを見せて連勝を飾っている。マクドナルドの強味は、前述したようにMMAをMMAとして戦っている点にある。

パンチ、蹴り、テイクダウン、柔術、全てがMMAにアレンジされたものでなく、最初からMMAとして身についている。あらゆる格闘スタイルの融合体といわれる現代MMAにおいて、マクドナルドの動きには際がなく、流れるように攻撃を仕掛けることができる。

突き詰めればMMAとして当然のことなのだが、なかなか技の移行をよどみなく行うことができるファイターは、決して多くはない。特に組技主体の攻防のなかでの打撃、グラウンドでのパウンドとポジショニングの連動、この辺りの動きは群を抜いている。

これまでの何でもできるという意味でのオールランダーとは一線を画した、MMAとして全てをこなすマクドナルドに対し、スティーブン・トンプソンは打撃が突出したファイターだ。2月のUFCで見事なハイキックKOでデビュー戦を飾った彼は、この試合でまだMMA7戦目を迎えるというニューウェイブだ。

GSPをして、「北米最高のストライカー」と言わしめるトンプソンも、MMAのトレーニングはトライスタージムで積んでいる。空手一家に育ち、ロー無しキックで63連勝という途轍もない記録を持っているトンプソン。レスラーと対戦したときに、持ち味の絶妙な距離感がどこまで生かせるかという課題もあるが、今回の相手はムエタイ・ベースのマット・ブラウンということで、得意の分野で戦うことができる。

とはいっても、ブラウンもトンプソンが組み技面で不安が残っていることは、十分に把握しているだろう。そのため、組み重視の組み立てで試合の臨むことも十分に考えられる。特に首相撲からヒザ、ヒジなど米国のマチダ一家で育ったトンプソンが、ムエタイ流組みと打撃のコンビネーションに対応できるか。それこそ、トライスタージムでどのような準備をしているのかに懸かってくる。

MMAの完全体=ローリー・マクドナルド、一芸に秀でた間合いの魔術師=スティーブン・トンプソン、全く違ったタイプながらGSPの遺伝子を持つ二人のファイト、決して見逃すことはできない。
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