14日のセリエB・ペスカーラ戦の試合中に倒れ、帰らぬ人となったリヴォルノのピエルマリオ・モロジーニ選手は、1986年7月5日にベルガモ生まれ。アタランタの下部組織で育ち、すぐに頭角を現して、2005年にはローマに敗れたが、プリマヴェーラの決勝まで進んだ。

モロジーニ選手はとてもつらい人生を歩んだ。2001年、15歳のときに母カミッラさんが他界。さらにわずか2年後、父アルドさんもこの世を去った。悲劇は続き、直後に兄弟もなくなり、モロジーニ選手は若くして体が不自由な姉と2人だけになってしまった。

彼をセリエAにデビューさせたのはウディネーゼ。インテル戦でデビューを飾ったモロジーニ選手は、セリエAで5試合、欧州の舞台で1試合に出場した。ウディネーゼ時代のチームメートであるロベルト・バローニオは、打ちひしがれた様子で「信じられない運命だ。これで彼は家族のみんなと抱き合うことができるようになったんだな」と述べた。

2006-07シーズン、ウディネーゼは修行のために当時セリエBにいたボローニャへ送り出す。その後、所有権を完全に買い戻してから、2007年にヴィチェンツァへ移籍させた。ヴィチェンツァでは09年までプレーしている。

ヴィチェンツァでは見事なリーグ戦を送り、イタリアU-21代表にも選出され、18試合に出場。スウェーデンでのEUROにもたどり着いた。そこからは、常にレンタル移籍の生活が続く。レッジーナ、パドヴァ、再びヴィチェンツァと渡り歩いた。今季はウディネーゼでシーズンを始めてから、1月末にリヴォルノへ加入していた。

モロジーニ選手はかつて、両親を失った大変な人生について、こう話していた。

「人生を変えられるけど、それと同時に、体内にたくさんの怒りを覚え、常に全力を出す助けとなるんだ。両親の夢でもあった夢を実現するための、ね」