【ロシア】原子力ロマンスに隠された「核の復興」計画

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2030年までに原子炉ブロック30基を建設

美人の核科学者ターニャと子どもっぽい原子力技術者の恋を描いた映画が、4月からロシアの映画館で上映されている。その名も「Atom-Iwan」。

福島第一原発事故から1年。ロシアの国営原子力企業ロスアトム(Rosatom)が、原発の近くでも問題なく生活でき、愛や苦悩もある日々を送れることを証明するために作ったプロモーション映画のようなものである。

ロシアは、断固として

「核の復興」

計画を進めるつもりである。ロシア国内だけでも、2030年までに新しく30基の原子炉ブロックを建設する予定である。それにより、消費エネルギーに占める原発の割合が、18%から25%へと上昇する。シュピーゲル誌オンライン版が9日、報じた。

ロシアは、今後数年間でヨーロッパのエネルギー市場に参入する予定を示した。ロシア西部のバルト海に接する港湾都市カリーニングラードの欧州連合(EU)の国境に近い場所に、ロスアトム社は、新しい2基の原子炉の基盤を置いた。この原子炉からヨーロッパに電力を販売する計画である。

Image:amazon.deより

核の野望

ロシアの核の野望は、海外へも向けられている。ロシアの技術者が、12月からベトナムに最初の原子炉ブロックを建設。2030年までにあと12基を建設予定。イランは、ロシアが建設を支援したイラン初の原子力発電所ブシェール原発に続き、あと5か所の原発建設計画を表明。

また、ベネズエラとアルメニア、ポーランド、トルコにおける原発建設計画も順調に進んでいる。

Image:GuenterHH

国民の13%だけが脱原発を望む

ロシア国民は政府の核開発計画に対し、ほとんど反対の姿勢をとっていない。26年前、旧ソビエト連邦で起こったチェルノブイリ原発事故の影が薄れてきている。2011年の福島第一原発事故の後の調査でも、ロシア国民の13%だけが脱原発を要求した。

ロシアは、チェルノブイリから教訓を学んだことと、「平和な核」を制御できることを確信しているようだ。

▼外部リンク

シュピーゲル誌(Spiegel Online)
http://www.spiegel.de/wirtschaft/unternehmen/0,1518,825976,00.html

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