日本人として、どんな分野においても、日本人が世界で活躍しているのを見ると誇らしい気分になりますよね。特に、映画ファンの私は、日本の俳優が海外の映画に進出するのは、とても嬉しいです。それが、世界の最高峰であるハリウッド映画だったら、なおさらです!

 日本を代表する映画俳優の1人である浅野忠信さんは、これまで様々な国の映画に出演してきました。ハリウッド映画では、「マイティ・ソー」に次いで2作目となる、超大作「バトルシップ」に出演し、主役級の役柄を演じています。

 「バトルシップ」は、「スティング」「E.T.」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」など、映画史に残るヒット作を送り出してきたユニバーサル映画が、100周年を記念して放つアニバーサリー大作です。


 ハワイのオアフ島沖で、アメリカをはじめとする世界各国の駆逐艦が集結して、大規模な軍事演習が行われる中、沖合に巨大なエイリアンの母船が出現。地球からの友好的な呼びかけに応じて、やって来たのかと思われましたが、エイリアンは次々と未知の武器を繰り出して、激しい攻撃を仕掛けてきます。



 演習に参加していた米海軍の新人将校アレックス・ホッパー(テイラー・キッチュ)と、彼がライバル心を燃やす自衛艦の指揮官ナガタ(浅野忠信)は、その戦いの最前線に立たされることに。

 彼らは、弱点も戦略も読めないエイリアンに対し、知力と体力の限りを尽くして立ち向かいますが、アレックスとナガタはエイリアンの攻撃を阻止して、地球を壊滅の危機から救うことができるのでしょうか? エイリアンの目的とは……?


 ナガタを熱演した浅野さんにインタビューし、映画への熱い思いをたっぷりと語ってもらいました。

——日本の俳優を代表して、ユニバーサル100周年記念作品に出演されましたが、出演が決まったときの気持ちを教えてください。


 「『マイティ・ソー』を撮影していたときに、エージェントからユニバーサルのスタジオに行って、プロデューサーに会うようにと言われたんです。それで会いに行ったら、『47RONIN』を撮ろうと思っているという話を聞いたんですが、実はその前にもう1作『バトルシップ』というのも考えているから、機会があったら監督に会うようにと言われて。そのとき、スタジオにはいろんな写真が貼ってあって、僕は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が大好きだったんですが、それでもう、すごく嬉しくなっちゃって。やっとここまで来たんだな、という気持ちになりました」

——『バトルシップ』がアニバーサリー大作だと知ったのは、その後ですか?

 「そうです。プロデューサーに会った後、ピーター・バーグ監督に会って、具体的に出演をオファーされました。そのときに、やっと実感がわいてきたという感じでしょうか。ユニバーサルだということ以外にも、アメリカの映画に大きな役で出演するということは、僕にとっては、すごく意味のあることなんです。僕の祖父はアメリカ人ですから。それでも、まだ100周年だとは聞かされていなくて、撮影が始まってから知ったんですよ。えっ、そんなにすごい作品だったのってビックリしました(笑)。もしかしたら、映画の神様がご褒美をくれたのかなと感謝しています」

——演じてみた感想は?

 「自分でも、よく頑張ったなと(笑)。『マイティ・ソー』のときも、かなり大変な撮影だったんですが、結構カットされていて。完成したものを見たら、僕、そんなに出番がなかったんです。まあ、それはそうですよね、ソーが主役なわけだから。だから、今回もいっぱい撮ったけど、またたくさんカットされているんだろうなって思っていたら、結構出ていて、今回はすごいなと思いました(笑)。これは、すごい役をやったんだなと、後からビックリしましたね」


——浅野さんから見た、ナガタという人物像を教えていただけますか。

 「日本の自衛隊の艦長で、かなり優秀な男です。自分よりできないヤツを、どこか認めないところがありますね。ちょっと鼻につくようなタイプです。だから、ホッパーたちといがみ合ったりもしますが、根本には熱い部分を持っています。自分がしっかりやらないと許せない性格で、何かが起きたときには、能力を最大限に生かして仲間と助け合う。最終的にはホッパーたちとも協力して戦うので、そう意味では愛のあるキャラクターだと思っています」

——役作りはどのようにしましたか?

 「役作りについては、あまり考えませんでした。それは台本に描かれていて、セリフからも、周囲の振る舞いからも、ナガタというものが見えてくるので。むしろ技術的なことを準備しましたね。サッカーのシーンのためにもしっかり練習したりとか。あと、海上自衛隊の人に実際に艦を案内していただいて、いろいろなものを見せていただき、どういうことをされているのかじっくり聞かせていただきました。アメリカでも、ネイビー・キャプテンの方が軍について徹底的に教えてくれました」

——撮影において、日本との違いは?


 「撮影現場のど真ん中で起こっていることは、どこの国でも変わらないですね。監督によって雰囲気が違うとか、お金の規模が違うとか、そういう違いはありますけど。それでも、僕は日本映画に育ててもらって、結構いろいろ厳しく教えてもらうこともあったので、今回もそれを生かせていると思いました」

——どんなことですか?

 「日本で身につけたことをしっかりやっていると、技術スタッフにすごく喜ばれるんですよ。今回は、カメラマンに『おまえ、最高の場所に立ってたな』と言われました(笑)。僕はメインで映っているばかりじゃないと分かっているので、ホッパー役のテイラーがいて、ほかの誰かがいて、話をしているという場面だったら、大体こんな感じでライティングがつくから、俺はここでしょう、みたいな感じで、そこでさり気なくナガタを演じるんです。すると、『もう、タッド(浅野さんの愛称)、おまえ分かってるなぁ!』って(笑)」

——さすがですね!(笑)

 「僕は端の方で何かをやっているだけのシーンでも、そのシーンを英語だけで理解して、リアクションを取れるように努めました。ほとんどの人は見ていないんですよ、テイラーのことしかね(笑)。でも、監督はちゃんと見てくれていて、『こいつはスゲーんだぞ。おまえら見てないだろうけど、全部理解してやってるんだぞ』って、みんなにアピールしてくれたんです。そのとき、本当に良かったなぁと思いました、日本でちゃんと教えてもらっておいて」

——素晴らしいエピソードですね。ありがとうございます。では最後に、日本から海外に進出し、休みなく映画に出演し続けている浅野さんのパワーの源を教えてください。

 「やっぱり現場ですね。撮影現場には面白い人がいっぱいいて、その人たちと出会って、教わることが多いです。こういう生き方ってありだよなとか、こういう取り組み方って面白いなとか、こんなふうに俺も今度演じてみようとかね。そうすると、その現場にいる間に、いろんな思いが膨れ上がって、早く次の現場に行きたい! または、今からもう1回撮影し直したい! なんて思うことがよくあるんですよ。現場がすごくいい刺激になっていますね。本当に人との出会いが全てだと思います」

 浅野さんのお話を聞いて、とても前向きな気分になれました。楽しみながら、世界で活躍している浅野さんは、今後も出演予定が目白押し! 日本人として、ますます誇らしい気持ちになりました。

「『バトルシップ』2つの記者会見を取材してきました!」


 1月31日、グランドハイアット東京にて緊急来日記者会見が開かれ、テイラー・キッチュ、浅野忠信、ピーター・バーグ監督が登壇。私は、「この映画は、一見すると男性向けのように思われますが、女性向けの見どころがあったら教えてください」と聞いてみました。すると監督から、「本作の見どころはアクションだけでなく、男の子が女の子を追いかけるラブストーリーなんだ。夢見る女性を追いかけ、彼女を手に入れるために、エイリアンなどの障害を乗り越えるんだよ(笑)」と、楽しい回答が返ってきました。テイラーは、「監督はいいことを言ったね。“愛のために”不法侵入して、彼女のためにブリトーをゲットしたり、エイリアンと闘ったり。ホッパーが愛のために、どこまでできるかが見どころだよ」と、コメント。一方、浅野さんは照れながら、「僕は男なので、正直、女性の見どころは分からないので、みなさんに劇場で見て確かめてほしいです」と、語っていました。


 4月2日、米軍横須賀基地の原子力航空母艦「ジョージ・ワシントン」のフライトデッキに、出演者のテイラー・キッチュ、リアーナ、浅野忠信、ブルックリン・デッカー、アレクサンダー・スカルスガルド、そしてピーター・バーグ監督が登場。ビッグな来日記者会見が行われました。歌手のリアーナは、本作で女優デビュー。「素晴らしい共演者に恵まれたし、最高の体験だったわ。もちろん緊張したけれど、また機会があったら挑戦したい」と語り、浅野さんは、「歌手として活躍されているので、最初から存在感がありましたね。すでに役柄として説得力があって、海兵そのものでした」と絶賛していました。