平凡だけど、満ち足りていたサラリーマン生活。やがて会社は大手企業に買収され、会社は衰退の一途をたどることに。心身の疲労がたたり、2度の入院を繰り返した著者。職場復帰したばかりの休日、散歩中にカワセミやゴイサギ、アオサギに出会ったことがきっかけで野鳥観察の世界に入り、帰ってきた野鳥たちを写真に残すことに決めました。

 『さんぽで撮ろう!都会のみぢかな野鳥たち』のなかには、関東近郊で見られる野鳥をたくさん紹介しています。「珍しい鳥」「近くにいる鳥」「野の鳥・林の鳥」「水辺の鳥」「海辺の鳥」と5つの項目に分かれており、その数なんと94種類! その一羽一羽に丁寧な説明が加えられており、著者、鈴木研二さんの鳥たちへの愛情が感じられます。

 一期一会の、野鳥との出会い。野鳥撮影の際、野鳥への敬意を持って撮影に臨む鈴木さん。彼の撮る野鳥の表情や仕草はとても活き活きとしていて、生活感に溢れています。「水辺の鳥」では、花を盾に様子見をしている薔薇色の腹を持つベニマシコを紹介。その姿はまるで愛しい人を遠くで見守る乙女のよう。しかし「海辺の鳥」ウミネコになると、捉えた獲物を加えたまま「どや顔」で歩き散らし、勇ましい様子が伝わります。ベニマシコの紹介は「バラ色の小鳥」、ウミネコの紹介は「港のギャング」。鳥たちの個性を的確に表現している紹介文も、この本の魅力です。

 水辺や海辺に行く機会がなくても、近場でも野鳥は見つけられます。この本に載っている野鳥はすべて明治神宮や石神井公園など関東に住む人々にとって身近な場所がほとんどです。

 カバンの中に、「野鳥」を連れて。休日は、野鳥探しのさんぽにでかけてみませんか?



『さんぽのおともに「野鳥」はいかが?』
 著者:
 出版社:雷鳥社
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