ガラス張り、ダイヤル式ボリューム…アナログの質感にこだわったハイスペックUltrabook『HP ENVY 14-3000 SPECTRE』を触ってみた

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デジタル機器全盛の時世。いつのまにか携帯電話からボタンが消え、液晶画面をタッチしたりなぞったりする操作が当たり前になりました。普及当初は「うまく慣れるかなあ」と心配していたスマホやタブレットも、今では幼児や高齢者ですら難なく使いこなしてしまいます。

しかし一方で、一度はスマホに乗り換えたものの、やっぱり物理キーをしっかり押している操作感がある携帯電話へと、わざわざ出戻る人が少なくないのも事実です。この流れは何もケータイだけとは限りませんし、操作性だけの話でもありません。クルマやバイクでは「自分が能動的に操っている感覚」の強いマニュアルミッションが根強い人気ですし、カメラも中身は最新テクノロジーで作られながら、デザインやインターフェースは昔ながらのアナログカメラ然としたものが一定の支持を集めています。

こうしたアナログ的な手触りや、オーセンティックなデザインへの回帰という兆候がありながらも、あまりその手が加えられていない分野のひとつが、パーソナルコンピューターと言えるかもしれません。もっとも、回帰も何も元々がデジタルでハイテクなプロダクトなのですから、アナログ感を求めるのも筋違いなのですが、それをやってしまったパソコンがございます。

それがHPのENVY 14-3000 SPECTRE(以下SPECTRE)です。

ENVY 14-3000 SPECTRE

このモデル、なんと天板と液晶画面、そしてパームレストが全部ガラス張りのノートパソコンなのです。ガラス張りの何がすごいかと言いますと、中身は昨今流行りの『Ultrabook』と呼ばれるハイスペックノートパソコンで、もともとマグネシウム合金で作られるなど薄型・軽量なボディなのにもかかわらず、わざわざガラスを多用して重くなっちゃってるんです。

重くなって手に入れたものは? そう、うっとりするような見た目の美しさと、なめらかな手触りです。

いかがですか、この姿勢。軽く!薄く!安く!早く!と他社がしのぎを削りあっているなか、「うちのは美しくて手触りが最高なんスよ(だから少々の重さはメンゴwww)」という潔さ。横並びのつまらないパソコンが多い中で、この心意気を買いたいではありませんか。でも、SPECTREを買うかどうかは別の話。実際に触ってみて考えたいではありませんか。

というわけで発売間もないSPECTREをHPに貸してくださいとお願いしました。届きました。

SPECTREが届きました

まず一流アパレルブランドのように、紙袋や梱包箱からSPECTRE専用のものを用意しているあたりに軽く、HPの気合いを感じながら、うやうやしくアンボックスしますと、出ました、テッカテカに黒光りするSPECTREのお目見えです。

広大な天板全面のガラスは容赦なく汚部屋を映し込み、みるみるうちに黒い天板に埃が付着。さらに、それを取ろうと指でつまんだ先から、おのれの手の脂がべっとり付く始末。しまった、白い手袋を用意すべきだった。

逆に考えるとこれは、その天板の美しさを保つために日ごろの書斎の掃除とお片付けがはかどるとも言えます。某お掃除ロボットを使うために、床にモノを置かなくなったという効果と同じですね。


黒い天板

いつまでも天板を眺めて愛撫して拭いてまた眺めて……とうっとりしているわけにはいきませんので、開いてみましょう。重厚感のある液晶モニターを開くと、出ました。ガラス張りのパームレスト(キーボード打鍵時に手のひらを置くスペース)です。

試しにキーボードを打ってみると、ガラス特有のひんやりとした感触が手のひらに伝わります。冬はともかくこれから夏の季節は涼しげでよろしいかもしれませんね。たとえ手に汗をかいても、アルミや樹脂のパームレストのように変色する心配がないのもガラス製の利点でしょうか。真っ黒の天板と違って、パームレストはシルバー地なので、よく手があたる分、指紋などが目立ちにくいのもメリットです。

シルバー地のパームレスト

また、見た目の注目点はガラスだけではありません。起動中は天板のHPロゴマークが光るほか、キーボードにひとつひとつ仕込まれたLEDが点灯します。暗い飛行機内やプレゼン中の会議室などでは便利ですね。なお、スリープ時から復帰した際、パッとキーボードライトが点灯するのではなく、ゆっくりとフェードインで明るくなるあたりにHPが細かいところまでアナログ的質感にこだわった跡がうかがえます。

LEDが点灯するキーボード

また、個人的に「古くて逆に新しい!」と感じたのがオーディオブランド『Beats Audio』のスピーカーを採用したサウンドまわりです。なんと音量のコントロールがアナログ式のダイヤルなのです。常々、パソコンを操作している時、ボリュームボタンを連打するのが嫌で嫌で仕方がなかったのですが、このダイヤルボリュームなら、くるっと回転させるだけで大幅なボリュームアップ・ダウンや細かな微調整も思いのままです。また、何よりノートパソコンのスピーカーにあるまじきクリアで素直な音を聴かせてくれるのも嬉しいところ。出張先のホテルの部屋も別途スピーカーなしでオーディオ代わりにできることでしょう。

ダイヤルボリューム

そんなわけでガラスの質感と触感が楽しめるデザインと、細部にまで行き届いたアナログ感覚の操作性で、他には類を見ない存在感を放つSPECTRE。多少の重さが何だ。拭き掃除上等。そんな人にとってのデザイン系ノートの最有力候補ではないでしょうか。しかし、乱暴に扱うのは禁物ですね。

【関連リンク】

日本HP 

http://www8.hp.com/jp/ja/home.html