半導体メーカーにも文系の私ができる仕事があることを知りました。

インターンシップで見つけた“働く自分” Vol.19

ローム株式会社 呉 漩(ご・せん)さん

2週間のインターンシップで、「不安」が払拭されたという呉さん


■インターンシップで職場の魅力に触れ「不安」が「入社したい」に変わった

日本に来る前から、呉さんはインターネットが大好きだった。大学では、ソフトを使って文章を分析する言語情報系を専攻し、「Webサイト制作」のゼミにも参加。htmlを学び、Webを制作する楽しさを知ると同時に「きっと自分のプラスになる」とその将来性を信じ、Webに携わる仕事を志望するようになった。卒業を控え、日本で学んだスキルを日本で試してみたいと、日本での就職を決意。大学の推薦を受けて、経済産業省主催の「アジア人財資金構想」による留学生向け就職支援プログラムを受講したきっかけで、インターンシップへの参加を考えはじめた。
「ところが、紹介されたのは聞いたこともない会社。半導体の知識などまったくありませんし『理系の人ばかりで、文系の仕事などあるの?』と不安に思いました。でも、課題が企業サイトの制作だと聞き『それなら自分の専攻と合う』と思い、エントリーしました」

期間は2週間。中国人留学生と2人で「留学生採用サイトの制作」に挑戦した。初日のオリエンテーションを経て、2日目からは早速課題に取りかかった。1週目はリサーチが中心で、同業他社のサイトをチェックし、その特徴を分析して企画を考え、発表して終わった。実際の制作に取りかかったのは、2週目に入ってからだ。
「大学では、Webサイト制作の宿題が出れば、すぐ作業に入ります。ところがインターンシップでは、最初の1週間は下調べと企画・発表に費やし、翌週からようやく実作業。時間的な不安もあって、正直、1週目のリサーチは無駄なんじゃないかと思っていました。でも、このときに言われたのが『PDCAサイクル:Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)』という言葉。実際に課題を終えてみると、リサーチや分析から入る計画性、何のためにやるのかという目的意識を持つことは、仕事を進めるうえでとても重要であるということがわかりました」

課題のWebサイトは無事完成し、プレゼンテーションでの評価は上々だったが、呉さん自身は「もっと面白いものができたはず」と納得できなかった。
「でも、当時のスキルではあれが精一杯。もっとWebの知識やスキルを高めなければいけないとあらためて思いました」

インターンシップを始めるまでは、畑違いの業界に対する不安が大きかった呉さんだが、課題に取り組み、たくさんの社員と触れ合ううちに、考えは一変した。
「どの業界にも文系の仕事があるんだということがわかりました。『半導体メーカーにも私にできる仕事があるのなら、どんな会社にも自分の仕事はある』と確信でき、視界が一気に開けた感じです。また、日本の職場は上下関係が厳しく、みんな黙々と仕事をしているイメージを持っていましたが、この会社に来て、実際は違うということも知りました。休憩時間にはおやつをすすめてくれたりと、職場は和気あいあい。上司もとても親切でした。Webの仕事なら、IT業界など選択肢はたくさんあったと思いますが、この職場の雰囲気の良さが『絶対にロームに入りたい』と思わせた一番の理由です」

同期入社は、理系も含めて約130名。インターンシップを経験していない人も少なくない。
「職場の先輩や上司とは面識があったので、私は『ただいま!』っていう感じでした(笑)。インターンシップを経験していたおかげで、ゼロから人間関係を構築する必要がなかったため、スムーズに業務に就くことができました。入社2年目の目標は、ゼロから自分の手で手がけたWebサイトを完成させること。自分の提案で、これまでのB to Bの堅い印象を変えられるようなページをつくってみたいですね」