全国書店員の投票で選ぶ「本屋大賞2012」の発表会が4月10日、東京・明治記念館で開催され、直木賞作家・三浦しをんさんの小説『舟を編む』(光文社)が大賞に輝いた。

 出版社の辞書編集部を舞台に、新しい辞書『大渡海』の編纂(へんさん)に奔走する人々を描いた同作。光文社の女性ファッション誌『CLASSY』の2009年11月号〜2011年7月号に連載され、華々しいファッション雑誌の中で「辞書づくり」という一見地味なテーマを扱ったことで、掲載当時から話題を呼んだ。

 単行本の刊行は昨年9月。紀伊國屋書店の書店員が選ぶ「キノベス!2012」で年間1位に輝くなど、発売直後から全国書店員の高い支持を集めていた。

 三浦さんは1976年生まれ。就職活動に奮闘する女子大生を描いた『格闘する者に◯(マル)』で2000年にデビューした後、2006年には「便利屋」を舞台にした『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞を受賞。さまざまな職業のディティールにこだわった作品を多く執筆していることから、"職業小説"の名手として知られている。

 本屋大賞受賞作は例年、映画やドラマなどで映像化されており、リリー・フランキーさんの『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』(2006年受賞作)、湊かなえさんの『告白』(2009年受賞作)など、大ヒットを記録したものもある。昨年も東川篤哉さんの『謎解きはディナーのあとで』(2011年受賞作)がTVドラマ化されたことから、『舟を編む』も映像化のオファーが殺到すると見られる。

 第9回目となる今回は、2010年12月1日〜2011年11月30日に刊行された日本のオリジナル小説が対象。書店員が「いま、一番売りたい本」を3冊投票する一次投票には、過去最高となる全国431書店560人が参加し、上位10作品がノミネートされた。大賞を選ぶ二次投票には全国302書店、371人が参加した。

 ノミネート10作品の順位は以下の通り。

■「本屋大賞2012」順位
1位:『舟を編む』三浦しをん(光文社)
2位:『ジェノサイド』高野和明(角川書店)
3位:『ピエタ』大島真寿美(ポプラ社)
4位:『くちびるに歌を』中田永一(小学館)
5位:『人質の朗読会』小川洋子(中央公論新社)
6位:『ユリゴコロ』沼田まほかる(双葉社)
7位:『誰かが足りない』宮下奈都(双葉社)
8位:『ビブリア古書堂の事件手帖』三上延(アスキー・メディアワークス)
9位:『偉大なる、しゅららぼん』万城目学(集英社)
10位:『プリズム』百田尚樹(幻冬舎)







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