(C)2012「僕等がいた」製作委員会 (C)2002小畑友紀/小学館
 2002年から小学館「月刊ベツコミ」にて連載されている「僕等がいた」は、少女コミックとしては驚異の、累計発行部数1200万部を突破した人気漫画である。現在、映画も公開されていて『僕等がいた 前篇』は、累計動員数は150万人を突破。今週の観客動員数ランキングでは、公開4週目であるにも関わらず、初登場の『タイタニック 3D』を抑えて3位となっている。世界的大ヒットのラブストーリーに勝利している。

 現在、女性を中心に動員数を伸ばしているこの映画。吉高由里子や比嘉愛未のキャスティングから男性の中にも興味を示している“隠れファン”もいるのではないだろうか。考えてみれば、ヒットした『ごくせん』や『のだめカンタービレ』も元々は女性向けの漫画。でも、映画やドラマは男性のファンも多かった。少女漫画の映画化だから男が観てはいけないというルールはないだろう。

 ストーリーを簡単に紹介しよう。

 高校2年生の新学期、七美は、クラスの人気者矢野元晴に惹かれていた。矢野への想いが抑えきれなくなった七美は、生まれて初めての告白をする。一途な七美に少しずつ心を開いていく矢野。だが、死別した恋人・奈々の幻影と、矢野に想いを寄せる奈々の妹・有里の存在が二人の間に立ちふさがる。互いに想いをぶつけ合い傷つきながらも、ついに未来を誓いあった二人だったが、矢野は東京へ転校することになる。6年後、東京の出版社に勤め、忙しい日々を送る七美。彼女のそばには、矢野の親友・竹内の姿があった。ある日、同僚で矢野の転校先の同級生・千見寺から、矢野を目撃したと告げられる。6年の間に、矢野に何が起こったのか。なぜ、七美の前から姿を消したのか。矢野と竹内への想いに迷いながらも、七美はある決心をする――。

 映画は、前後篇に分かれている。前篇は、出会いから矢野の転校まで。後篇は、6年後、大人になってからの話である。

 男性の皆さんにお勧めしたいのは高岡蒼佑が演じる「矢野の親友・竹内」である。この竹内が良い人過ぎる。実は七美を本当は好きなのに、矢野に気を使って手を出さない。七美が困った時は、そばにいてあげる。本当に“尽くす男”である。あまりにも良い人過ぎて、逆に「矢野と七美ではなく、竹内と七美がくっついて欲しい」と思ってしまう。ちょっと古い話だが『冬のソナタ』で、10年以上もユジンを愛していたのにイ・ミニョンに奪われてしまうキム・サンヒョクを応援してしまった人は、竹内に共感できることが、間違いないだろう。

 女子が大好き映画を、男性から「観に行こう」と言えば、デートの成功率も高いのではないだろうか。ぜひ、意中の女性を誘って観に行って欲しい。

 『僕等がいた』は、前篇大ヒット公開中。 後篇は、4月21日(土)から全国ロードショー。

『僕等がいた』公式サイト
『僕等がいた』特集

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