(写真)野党候補者らとともにダンスをしながら投票を呼びかける若者ら=7日、ソウル(中村圭吾撮影)

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新自由主義を両陣営批判

 【ソウル=中村圭吾】韓国の国会議員総選挙が11日に投票されます。12月の大統領選挙を方向づける前哨戦となっており、与党セヌリ党(旧ハンナラ党)と、最大野党・民主統合党(民主党)、左派政党・統合進歩党(進歩党)の2党による「野党連帯」のどちらが勝利するかが、最大の焦点となっています。

 野党陣営は、民間人に対する違法調査や米韓FTA(自由貿易協定)など、李明博(イ・ミョンバク)政権の4年間の政権運営に対する審判を主張。対するセヌリ党は、「野党連帯」を「イデオロギー闘争、分裂をあおり、過去に回帰する勢力だ」と非難し、「民生第一、未来に前進する与党」への支持を訴えています。

 政策面では、与党セヌリ党が、李政権の新自由主義的経済政策や成長至上主義を批判し、「経済民主化」など、これまで野党が掲げてきた政策を取り入れたため、民主党との違いが見えづらくなりました。そのため、選挙最終盤には、与野党の双方が、相手候補の論文盗用疑惑や過去の問題発言を攻撃する暴露合戦の様相も呈しました。

 世論調査の公表が5日以降、禁止されているため、終盤の情勢は不透明ですが、現地メディアの報道によると、セヌリ党は130〜140、民主党は135〜140議席が有力とされます。民主党と選挙協力を組む進歩党は、現有7議席から10〜15議席へと躍進する見込みで、「野党連帯」が過半数を獲得する可能性が高いとみられています。ただ、有権者の約4割を占める首都圏の112選挙区のうち、50カ所以上で接戦となっており、勝負の行方は当日の投票率に委ねられることになります。

 過去の投票傾向から、投票率が55%を上回れば、野党が有利になるため、インターネットの簡易ブログ・ツイッターなどでは、野党支持の有名人らが、「70%以上の投票率」になるよう投票を呼びかけています。

 大統領選の有力候補で、ソウル大学融合科学技術大学院の安哲秀(アン・チョルス)院長は9日、動画サイト・ユーチューブに動画を投稿し、「(投票率が70%以上なら)ミニスカートをはいてダンスをする」との公約を発表。市民団体「2012総選挙有権者ネットワーク」は10日、光化門前で記者会見を開き、「投票への参加で、国民が主人公という本当の民主共和国を実現しよう」と訴えました。

 韓国の総選挙 国会議員の任期は4年。定数300(今回から1増)。小選挙区246、比例代表54。各党の現有議席はセヌリ党162、民主統合党80、自由先進党14、統合進歩党7、創造韓国党2、国民の思い1、無所属27、欠員6。有権者は約4018万人。