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畑とブドウの話が出たところで、自慢の3本をテイスティングすることに。まずは、「ペリエ ジュエ グラン ブリュット」から。黄金色の美しい色とデリケートな泡が印象的だ。

黄金色と繊細な泡が美しい、エキゾチックな香り漂う「ペリエ ジュエ グラン ブリュット」

「こちらはノン・ヴィンテージです。ブドウが作られた年の気候や環境の条件がどうであろうと、同じ味を踏襲しなければならないシャンパーニュです。シャンパーニュ造りが難しいのは、こちらの素材は何グラム、こちらの素材は何個など、レシピがあってそれに当てはめていけばいいわけではなく、ひとつひとつのブドウを味見しながらどの種類をどれぐらい入れるか決めていかなければならい点ですね。タンクに入れて醸造したものを、発酵終了後2カ月ほどかけて味見し、それぞれのポテンシャルを計ります。その時のテイスティングを経て、この年は特別かどうかを計り、特別であれば一部をとってヴィンテージ・キュベ「ベル エポック」を作り、それをしないと決めた年には、「ブリュット」にしていくわけです。」

通常、ノン・ヴィンテージ シャンパーニュの熟成期間は15か月程度。だが、ペリエ ジュエのグラン ブリュットは最低でもそれをはるかに上回る3年、セラーに寝かせておくという。「薄い金色と細かい泡が美しく、泡は表面の周辺に美しく集まります。香りは、りんごや洋ナシ、フレッシュな果物の香り、かんきつ類の香りがします。パイナップルのようなエキゾチックな果物の香りもしますね。最後には、酵母からのブリオッシュのような香りもします。口にふくむと、フレッシュですが攻撃的ではありません。味と香りには口の中に広がる力強さがあり、余韻も残ります。食前酒にパーフェクトですね。シャンパーニュを味わう楽しみを感じさせてくれ、のどの渇きも癒してくれます。魚や甲殻類にも合うので、コースの前菜や軽いお料理にも合うと思います。」

白い花のような香りとエアリーな繊細さを備えた「ペリエ ジュエ ベル エポック 2004」

次に登場したのは、「ペリエ ジュエ ベル エポック 2004」だ。「こちらは、2004年に摘み取ったブドウしか使われていません。最低6年セラーで寝かせ、長く熟成させています。シャルドネが植えられた地区“コート・デ・ブラン”にあるペリエ ジュエ社所有のグランクリュの畑から採れたブドウを50%程度使っています。ここにしっかりした骨格を与えるピノ・ノワールを45%入れていますが、これはシャルドネの繊細さを壊さない畑で採れたものを使っています。ピノ・ムニエはディジーという自社の畑のものを5%だけ。ハーモニー、口の中のまろやかさを与えてくれるこのブドウは、シャルドネとピノ・ノワールの橋渡し役といったところですね。香りは、白い花や、白桃に代表される白い果物のよう。グレープフルーツ系の柑橘の香りもします。熟成の香りもするのですが、私にははちみつやお菓子のように感じられます。あと、少しだけバニラ系の香りもしますね」口に含むと、フレッシュ感が広がる。ふんわりと浮くようなエアリー感を覚える繊細さも魅力だ。「ペリエ ジュエ グラン ブリュット」よりも、さらに華やかな個性が強調されているように感じられる味わいも、飲み比べていくとよくわかる。「繊細で、口に余韻が残ります。決して荒々しくなくシルキーな余韻が。お食事の最中にも合わせられますね。魚、甲殻類…そう、和食のスシや刺身とも合いますよ」

赤い果実味のリッチなテイスト「ペリエ ジュエ ブラゾン ロゼ」

最後に登場したのは「ペリエ ジュエ ブラゾン ロゼ」。
「グラン ブリュットに最大で15%、シャンパーニュ地方で作られた赤ワインを入れています。この赤ワインがピンクサーモン色をもたらします。鼻にかざすと、イチゴ、ブラックベリーのような赤いフルーツの香りがします。リッチで複雑、いろいろな美味しい香りがしますね。口に含むと、赤ワインを飲んでいる感じはなく、確かにシャンパーニュの味わいがし、フレッシュで適度な酸味も感じられます。でも、赤ワインにより、より厚みや広がりをもつ味に仕上がっていると思います。そのために料理とも合わせることができ、仔羊や鴨などとも一緒に飲んでいただけます。赤いフルーツを使ったデザートとも合わせることができます。シャルドネ25%、ピノ・ノワールが50%、ピノ・ムニエが25%ぐらいです。ヴィンテージではないので、前の年のものと合わせています。」 デシャン氏とともにシャンパーニュを味わっていると、様々な味と香りのイメージが連なっていき、感覚が徐々に研ぎ澄まされていくようだ。

デシャン氏の見つめるペリエ ジュエのこれから

200年にわたって貫かれているメゾンのあり方とは、最高級であり続けるために妥協せず、品質を徹底的に追求するという姿勢だ。高い基準に満たない年は、シャンパン生産を見送るという決断を行ってきた歴史も持つ。そんな厳しい基準の中でこそ貫かれてきたのが、すべてのラインナップに通じる独自のスタイルだ。「長年にわたり同じ精神で行われてきたクリエーションや、そこから生まれるスタイルの踏襲は、一朝一夕にはいきません。前任者のセラーマスターと10年間ともに働き、同じスタイルを踏襲する管理方法などをしっかりと取得しました」と話すデシャン氏だが、200年の伝統を受け継ぐ重みを感じながら、長年、情熱持ち続けられるのはなぜなのだろうか。「毎年が違い、毎回がチャレンジであるからでしょうか。キュベが作られるときは、子どもが生まれるのと同じ感覚なのです。その後、彼らが年をとっていくのをフォローしていくわけですが、そう考えるとシャンパーニュ作りはまるで家族と過ごすようなものなのです。」

最後に、そんなデシャン氏が見つめるペリエ ジュエの将来について聞いた。
第一に考えるのは品質を守り続けていくこと。他ブランドとの斬新なコラボレーションも多く行われているが、それも、確かなスタイルと最高のクオリティに裏打ちされた進化と発展の形なのだろう。「シャンパーニュというものは、今年造ったとしても、3〜6年寝かせてそれが世に出るときに世界がどうなっているかわかりません。景気が良くなっているかもしれないし、悪くなっているかもしれません。このようにセラーマスターという仕事は、普通の人とは違う時間の流れの中で生きています。ペリエ ジュエでは30年ほど同じ人物がセラーマスターを務めます。人間の一生の長さを考えると長い時間でもあり、モノづくりということを考えると短い時間でもありますね。私は常に、もっと良いものを造りたいと考えています。飽きることはないですね。香り、味を捉える感覚、クリエーションするエネルギーがある以上は、将来のビジョンを持つことができるので、この仕事を続けていきたいと思っています。そしていつかは、自分の持つノウハウとクラフトマンシップを、ペリエ ジュエの財産を、引き継ぐ人物を育てたい。このメゾンのスタイルは特別ですので、それを踏襲する人物を育てることも私の重要な役割ですから。」

先人たちから手渡された財産を、また未来へと手渡していくデシャン氏。彼もまた、ペリエ ジュエの、そしてシャンパーニュの歴史の一部。彼の手によって、今年はどんなキュベが誕生し、どんな歴史の1ページが刻まれるのか。早くも待ち遠しい限りだ。

>ペリエ ジュエ セラーマスター エルヴェ・デシャン氏スペシャルインタビュー Vol.1

ペリエ ジュエ

1811年にシャンパーニュ地方エペルネ市に創業された、200年の歴史があるシャンパーニュメゾン。辛口シャンパーニュの先駆けとしても知られ、アール・ヌーボーの巨匠エミール・ガレが描いた、優美なアネモネのボトルが象徴的な「ベル エポック」が代表的。19世紀には英国王室、そしてフランス王室御用達でもあり、ハリウッド女優からモナコ王妃になったグレース・ケリーをはじめ、多くのセレブリティに愛されている。全てのアイテムに最良のシャルドネ種が使用されており、繊細でエレガントな味わいが特徴。

ペリエ ジュエ プレミアム・クラブ