◆ブラジルの目の色が変わった!試合が終わったあとに…。

試合前の練習では一様にリラックスムードの選手たち。キャプテン宮間あやたんはピッチに入ってきたブラジル代表クリスティアーニを見つけると、熱烈なハグ。ポッチャリムギューな姿はまるでぬいぐるみのようで、思わず僕も岡山県に出向いて路上でハグしたくなります。

しかし、入場を待つ頃には日本の雰囲気は一変。どうしても目やにが気になって目やに取りに集中する大野以外は、軽く引き締まった表情に変わります。一方、ブラジル代表は入場してもなおリラックスムード。ニコニコしながら入って来るわ、エスコートキッズの髪の毛をいじくって母性を発揮するわ、戦いの前とは思えない和やかさ。エスコートキッズの少年も、「ブラジルのお姉さん、チクビがすごい目立ってます…」といった戸惑いの表情を見せます。

そして始まった試合。日本はボランチに田中あっすー、宇津木のコンビを起用。両サイドに宮間たん・大野、2トップに川澄ちゃんと安藤こずこずを配置します。「緩めてきたな」という印象の布陣。過去の試合であまり上手くいかなかった組み合わせで、チカラを隠しつつブラジルを体験する狙いを感じます。

しかし、それ以上に緩かったのがブラジル代表。一応4-2-3-1のような布陣でスタートするものの、時間帯によっては3バックに「戻ってしまう」ことも。不慣れな仕組みでやっていることのチグハグさが見え隠れします。さらに、組織的サッカーを目指すという触れ込みとは裏腹に、攻撃も守備も個人能力頼り。

特に守備の際に、DFとボランチの間がゆるゆるだったり、日本の選手が動くと簡単にマークを離したり、入れ替わったときにマークの受け渡しをしなかったりするので、何度でも簡単に崩せそうに見えるほど。なるほどアメリカ戦でも0-3の完敗となるわけです。

↓前半16分にはオウンゴールであっさり先制!


完璧な落としから、反応鋭くシュート…?

入れたゴールが逆なだけでブラジル代表の個々の能力は高い…?

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試合前に「4点取ってこの大会優勝する」という目標を掲げたなでしこJAPANですが、この調子では簡単に達成できてしまいそう。前半28分のCKの場面では、ブラジルゴール前はガラ空きで、ニアに飛び込めば簡単にシュートを撃てそうな雰囲気。ゴール前でも厳しく来ないので、前半30分のこずこずのシュート、前半32分の川澄ちゃんのシュートと、「あ、撃てちゃった」「思ったより簡単」「もっと激しく来て!」の場面がたびたび生まれます。

そんな日本にガツンと喝を入れたのはあっすー。この試合でも「ボールをもらってからどうしようか考える」「迷っている間に寄せられる」「ボールを奪われたらとりあえず後ろからスライディング」というあっすーらしい動きを見せると、前半44分にはペナルティエリアわずかに外でFK献上。ブラジルはこれを直接ゴールに叩き込み同点に。「相手がオウンするならアタシもする!」というあっすーの気持ちがチームにも伝わり、ピリッとしたムードで前半が終了します。