服装も自分らしさの表現のひとつと言うけれど。就活の面接で、企業から「私服で来て」と言われたらどうしたらいい?

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 就活生の“制服”とも言えるリクルートスーツだが、今年は「脱リクルートスーツ宣言」をしたソニーを始め、面接で服装を問わない企業が増えた。

 だが、これがかえって就活生を混乱させている。実際に「私服OK」の企業を志望する学生たちが証言する。

「私はエンタメ系の企業を中心に受けているので、会社説明会や面接に“あなたらしい服装でお越しください”とか“普段着で”という企業が多いんです。最初は、いいなと思ったんですけれど、もちろんそうじゃない普通の会社も同時に受けているわけです。そうすると、2社以上をハシゴしなくちゃいけないときは大変です。駅のトイレでわざわざ着替えながら、何をやってるんだろうと情けなくなりました」(M大・女)

「あるメーカーが“私服でお越しください”と言うのですが、そういうケースはよくあるので、僕はスーツで行きました。ほかの学生もスーツが多かったのですが、人事の方が怖い顔で『今日面接を受けた方は、今後弊社を受ける予定の学生に、必ず私服で来るように伝えてください』と言っていました。きっと“無個性で融通の利かないやつ”と評価されたんだろうと思って落ち込みました」(R大・男)

「企業も意地悪で、“あなたらしい服装で”と書いてある企業に奇抜な格好をしてきた学生には、あえて『なぜその格好なんですか?』の質問をしないんです。せっかく理由も考えて、気合い入れて着てきたのに、その質問がなければただの変な人ですよ」(S大・女)

 リクルートスーツだけの時代より、むしろ心理的なプレッシャーは増大。特に地方から上京して就活中の学生にとっては、経済的にも大変な負担になっている。

 なぜ、そこまでして企業は私服を求めているのか。マーケティングプランナーの谷村智康氏はこう語る。

「例えばソニーのような企業でさえ、ドレスコードが確立してるわけではありません。ソニーにはGEのような企業をモデルにしてる面と、アップルのような企業を志向してる面があります。前者の社員は銀行員のような服装をしますし、後者に憧れる人はフランクな格好をすべきだと思っています。それぞれ面接で求められる立ち居振る舞いや話も違います。企業の社員だって試行錯誤中なのですから、学生はあまり正解を求めすぎないことです」

 企業も欲しい人材を確保するために、あれこれ試行錯誤中ということ。とはいえ、服装で悩む学生たちにとっては「今年は運が悪かった」で済む話ではないだろう。

(取材/梶野佐智子、イラスト/村上テツヤ)

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