【ドラクエ談議】決められないとわかっていてもあえて語る / イチバンおもしろい『ドラクエ』はどれなのか?

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スクウェア・エニックスの人気テレビゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズについてトコトン話し合うコーナー、それが『ドラクエ談議』。今回のテーマは、「決められないとわかっていてもあえて語る / イチバンおもしろい『ドラクエ』はどれなのか?」。

今回の談議には、ゲーム業界に精通しているライターのIKA-X氏と、当編集部のゲーム記事担当記者A。はたして、どんな談議になるのか? 少しでも『ドラゴンクエスト』シリーズに興味があれば、お読みいただけると幸いである。
 
・『ドラクエ6』が最強
記者A  アイカバツさんと私はどちらも30代ですので、ファミコンの『ドラゴンクエスト』シリーズをリアルタイムで楽しんでいた世代ですよね。トータルでみて、どの作品がいちばん好きですか?
IKA-X  今の僕は『ドラクエ6』が最強だと思っている。だけど20代までは『ドラクエ3』が最強だと思ってたんだよ。若いころは『ドラクエ6』はウンコちゃんだと思っていて、むしろワースト2位の作品だったのね。ちなみにワースト1位は今も昔も『ドラクエ9』ね。
 
・登場人物ひとりひとりの人生模様
記者A  どうして『ドラクエ3』よりも『ドラクエ6』が好きになってしまったんですか?
IKA-X  若いころは、『ドラクエ6』のストーリーに込められた意味やドラマ性を理解していなかったんだよね。いろいろと細かいイベントがあるでしょ? 感動する話だったり、悲しい話だったり、笑える話だったり。そういうのを上辺だけなぞって、中身まで理解してプレイしていなかったんだ。
記者A  30代になってから、『ドラクエ6』のストーリーの深い部分を知ることができたと?
IKA-X  そう、30代になってから『ドラクエ6』を改めてプレイしたのね。そうしたらさ、心の琴線に触れるイベントばかりなのよ。イベントって言葉は安っぽくて相応じゃないね。登場人物ひとりひとりの人生模様? それがまた深いんだ。
 
・「せつなさ」と「悲しさ」と「不条理」
記者A  なるほど。じゃあ『ドラクエ3』よりも好きになってしまったんですね。
IKA-X  順位をつけろといわれたら、『ドラクエ6』が1位になるね。『ドラクエ3』も大好きだよ。でもね、王道すぎるんだ。年を重ねていくと、ストレートな物語よりも、もっとわかりにくい深いストーリーのほうが楽しく感じちゃうんだよ。
記者A  なんとなくわかります。でも世界的にみたら『ドラクエ3』がダントツで1位ですよね。人気度は。
IKA-X  そうだね。それはすごく理解しているし、むしろ『ドラクエ6』が1位という人は少数派だと思うよ(笑)。だけど時間がたてば『ドラクエ6』のほうが作品として深みがあることに気がつくはず。僕のなかでは、『ドラクエ3』は王道すぎる存在になってしまったんだ。
記者A  アイカバツさん的に、『ドラクエ6』をシンプルな言葉で表すとどんな感じなんでしょう?
IKA-X  「せつなさ」と「悲しさ」と「不条理」かな。人が死ぬにしても、それで泣かせようっていうんじゃないんだよね。その死にいたる道程が不憫で不条理なんだ。そこで泣く。でも、現実でもありえることなんだよね。その不条理さが。
 
・瀕死のオルテガが村人に助けられるシーン
記者A  私は『ドラクエ3』がいちばん好きですねえ。ファミコン時代にあそこまで徹底して練られたストーリーのゲームが存在していたことに驚きです。
IKA-X  確かにそうだなあ。スーパーファミコンのリメイク版で、オープニングでオルテガが冒険しているシーンがあるでしょ? あれは最高だね。ファミコンをプレイしてクリアした人なら涙してもおかしくないよ。
記者A  そうですよね。あれは泣かせます。特にムオルの村のシーン、ファミコンをやっていれば鳥肌モノです。
IKA-X  ポカパマズさんだな(笑)。瀕死のオルテガが村人に助けられるシーン。あそこはファミコンじゃオルテガがやってきた描写なかったしね。
記者A  話をまとめると、『ドラクエ6』が最強ということですね?
IKA-X  そうだなあ。そうなるなあ。
 
・『ジョジョの奇妙な冒険』に通ずるものがある
記者A  でも私は『ドラクエ6』は4位くらいかなあ。だってもっとわかりやすいストーリーにするべきじゃないですか?
IKA-X  そんなことしたら、あとでジワジワくる良さがなくなっちゃうよ。キミは『ジョジョの奇妙な冒険』読んだことある?
記者A  あー、知ってますが読んだことはあまりないです。
IKA-X  わかる読者だけわかればいいって感じで話すけど、ジョジョを爆発的に大ヒットさせたのは『ジョジョ3部』で、いまも根強い3部ファンがいるのね。その反面『ジョジョ4部』はスケールが小さくなったとかスタンドが難解だとかで人気がガクンと落ちたわけ。これ、ジャンプ連載時の話ね。
記者A  ほうほう。
IKA-X  でもね、あれから20年が経ったいま、注目されている人気度の高いジョジョが『ジョジョ4部』なのよ。どうしてかわかる? 
記者A  わかりません。
IKA-X  『ジョジョ3部』は王道だったが、ストーリーの深みに関しては『ジョジョ4部』のほうが上だったわけ。読者がそれに気がついて、『ジョジョ4部』の魅力を理解するようになったんだよ。
記者A  つまり、王道は王道として支持されるけど、さらに深みのある作品のほうがあとあと人気が出るということなんですね?
IKA-X  そういうことだね。『ドラクエ3』と『ドラクエ6』もその流れと同じなんだよ。
 
・IKA-Xの好きな『ドラクエ』ランキング
記者A  では、アイカバツさんの『ドラクエ』ランキングを教えてもらえますか?
IKA-X  はい。
 
1位 『ドラゴンクエスト6』
2位 『ドラゴンクエスト3』
3位 『ドラゴンクエスト5』
4位 『ドラゴンクエスト8』
5位 『ドラゴンクエスト4』
6位 『ドラゴンクエスト2』
7位 『ドラゴンクエスト1』
8位 『ドラゴンクエスト7』
9位 『ドラゴンクエスト9』
 
・薄っぺらいストーリー
記者A  でもどうして『ドラクエ9』が最下位なんですか?
IKA-X  ストーリーが薄っぺらいし、実際にプレイすればわかるけど「あれ? これで終わり?」っていうくらい早く終わるよ(笑)。テキトーにイベントを並べただけの作品としか思えないんだよね。
記者A  じゃあ、ゲームとしてもつまらなかったんですね。
 
・『ドラクエ』シリーズにあるべきもの
IKA-X  ゲームとしてはおもしろかったよ。おもしろいけど、いままでの『ドラクエ』シリーズにあった何かが欠けているんだよね。たぶん、心の琴線に触れるものがないんだ。この作品には。わかりにくかもしれないけど、僕の『ドラクエ』シリーズに対する共通のイメージについて話していいかい?
記者A  どうぞ。
IKA-X  『ドラクエ3』のほこらのシーンの音楽があるでしょ?
記者A  あの、ちょっと悲しげな音楽ですね。
IKA-X  そう、『ドラクエ』シリーズには、あの悲しげな音楽のような雰囲気がないといけないの。ああいう悲しさがにじみ出てくる雰囲気が必要で、その雰囲気がシリーズを重ねるたびに薄くなっていってる。『ドラクエ3』のほこらのシーンの音楽、あれこそが『ドラクエ』にあるべきテーマなんだよ。
記者A  作品の好き嫌いは人それぞれですけど、興味深いお話でした。今日はありがとうございました。


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