1966年、藤子・F・不二雄が後に代表作のひとつとなる漫画『パーマン』の連載を開始した。同作品はコミカルなアクション劇。ある小学生が主人公で、ひょんな事から宇宙人から超人的なパワーを得るバッチとマントを貰い、正義のヒーローとして活躍するようになる――という物語だ。

パーマンたちはヒーローとして活躍中、小学生としての普段の生活を代役として演じてくれる、「コピーロボット」を使う。この装置は白っぽい人形で、その鼻を押すと、あらゆる生命体へ変化させる事が出来るのだ。昨今、再生医療分野で画期的な発見や開発が続いている「iPS細胞」は、まさにコピーロボットのような未来の道具だ。

iPS細胞(人工多能性幹細胞)とは、数種類の遺伝子(設計図)を組み込む事で、目的の臓器や身体部位に成長させる事の出来る細胞のこと。同技術が進めば内臓器官を組み替える事も可能になる為、再生医療として力が注がれている研究分野だ。ただしiPS細胞の作成は効率が悪く、現実的な実用化には困難が伴っていた。

しかしこの度、理化学研究所の研究チームが新たに、iPS細胞不要の細胞再構築技術を開発したという。同技術は、「ヒト単球細胞」――つまり人間の皮膚を採取し、転写因子を組み込む事で、新たな細胞を作成するという仕組み。更に同研究所によると、この作成過程が2週間から1ヶ月程度と、iPS細胞に比べ大幅に短縮出来るのだという。

採取した皮膚から臓器や身体が出来る?SF物語の中でしか知らなかった近未来が、我々の手の届くところまで来ているのかもしれない。しかし当然ながら、そこには技術使用の原則が必要になってくる。

再生医療は命の造形に最も近づく行為のひとつ。神の領域に踏み込むべきかどうか、未だに我々はその倫理観を確固たるものにしていない。極端な事を言えば、iPS細胞は、自分の細胞から精子や卵子も作る事も可能。人間という存在そのものを揺るがす技術である。

筆者は再生医療について、使用三原則というものを想定している。しかしそれはまた、別の機会にお話したい。

【記事:G・JOE?】


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