ここ数年、団塊の世代が退職時期を迎えたことで、いわゆる「老後生活」をおくる人が一気に増加しました。それにともなって今、この「老後」に新しい考え方が生まれています。

 老後の時期を「さまざまから解放される、自由で身軽な時期」と説明するのは、医師であり、書籍『ゆたかに、シンプルに生きる』の著者でもある保坂隆氏。保坂氏は同書の中で、老後について次のように話しています。

 「仕事から解き放たれ、それまで肩に重くのしかかっていたローンや教育費なども終わります。もしかしたら大人になって初めて訪れる、身も心も軽くなった時期だといえるのではないでしょうか」

 そしてその期間を「必要なだけのものがあればそれでいい。そのかわり、ものを大事にし、そのものを十分に楽しむ時間をすごしてはどうでしょうか」とシンプルに生きることを提案。その価値観は、物から人間関係まで、あらゆるものに通じると述べています。

 実はこうした考え方は、他でも広がりを見せつつあります。

 老後を第2の人生として、前向きに楽しんで過ごしている人々を「グランド・ジェネレーション」とする新しい考え方を提唱するのは、放送作家の小山薫堂氏。「グランド」が最上級を意味することから、小山氏はこの世代を「人生の中でも最上の世代」と位置付けました。

 この小山氏の価値観に、ショッピングモールを展開するイオンが賛同。40代、50代以上に向けたアンチエイジング商品や新肌着ブランドなど、グランド・ジェネレーションをターゲットにした商品展開をはじめています。イオンリテールの村井正平社長は、「グランド・ジェネレーションは上質なものを見極める眼を持った世代」とも語っています。
 
 「老後」はさまざまなものを手放すことでシンプルになり、上質で豊かな時間を過ごす期間。そう考えると、歳をとるのも楽しめそうな気がします。



『人生の中で「最上」の期間はいつ?』
 著者:
 出版社:PHP研究所
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