SSDをキャッシュに使う“ハイブリッドHDD”! Windowsを快適にするシステムキャッシュ技術がスゴイ
Windowsの動作を快適にするには高速なCPUと潤沢なメモリー、そして高速なSSDを組み合わせればいい。特にSSDでRAID 0(スパニング構成)にするとWindowsが数秒で起動してくるほど劇的に速くなる。通常時の動作も快適そのものでサクサクならぬ“ヌルヌル”動く。仕事柄こうしたPCをさわっていると、入手してからわずか2年しか経っていない自分のPCの遅さにイライラしてしまう。

SSDにシステムをインストールしてしまえば問題は解決するように思える。ただ、システムをインストールしているHDDは数年前でも1テラバイト程度はあった。そこにガンガンにソフトだのゲームだのをインストールしていたわけで筆者の1テラバイトのCドライブ容量は500Gバイトを大幅に超えていたりする。いくらSSDの値段が安くなってきたとは言っても、500Gバイトを超えテラバイトクラスとなるとまだまだ高価なのが実情だ。

500GバイトクラスのSSDで市場価格が1台で6万円程度。もしRAID 0構成にしたいとなると2台=12万円になってしまう。対するテラバイトクラスのHDDは昨年のタイの洪水の影響で若干値上がりしたとは言っても圧倒的に安価だ。

「高速なアクセス速度が欲しい、加えてテラバイトクラスの大容量も欲しい」となると10万円オーバーのコースになってしまう。「SSDは高速性に優れる容量的には厳しい」「テラバイトクラスのHDDは遅いけどコストが激安」という“痛しかゆし”の状態なわけだ。

このいいとこ取りをしようという流れが登場してきている。それがSSDをシステムキャッシュとして利用しようという仕組みだ。具体的にはOSは大容量HDDにインストールし、別途用意したSSDの高速アクセスを生かしてシステムキャッシュとして利用しようという仕組みだ。これでSSDの高速性とHDDの大容量を合わせることができるようになる。

例えばIntelは、Intel Z68 Expressのチップセットで、システムキャッシュ機能として「インテル・スマートレスポンス・テクノロジー」(以下、ISRT)というSSDキャッシュのシステムを標準で搭載する。チップセットが標準で持っているのでSSDさえ用意すれば、すぐにでも使えるのがうれしい。

次にチップセットが古くてISRTが利用できないというユーザー向けには、マイクロン ジャパンが提供するSSDキャッシュシステム「Crucial Adrenaline」という1万円ちょっとのシステムがある(図1)。また、HighPointはSATAのSATAインターフェイスカード(PCI Express ×8用)にSSDキャッシュシステムをセットしたRocketCache 3240X8/RocketCache 3244X8を用意している(図2)。

図1■システム高速化用のアドレナリンを意味するマイクロンジャパンのSSDキャッシュ「Crucial Adrenaline」(1万円前後)


図2■SSDやHDDは自由に選んで組み合わせることができるHighPointはSATAのSATAインターフェイスカード「RocketCache 3240X8」(1万円台半ば)


いずれもHDDにはOSをインストールし、SSDはキャッシュとして利用する。マイクロンとHighPointは実際に触れたことはないが、インテルのISRTは実際にシステムを検証することができた。何度か起動・終了を繰り返すことでキャッシュされ、徐々に高速化される。OSの起動が劇的に速くなるというわけではないが、通常時のウィンドウ操作が圧倒的に快適になることは体感できるほどである。SSDだけでシステム構築をするのがベストだがSSDのメリットとHDDのメリットの両方を組み合わせた、いわば“ハイブリッドHDD”とでも呼べる仕組みを自分のPCに導入してみるのはどうだろうか。

Crucial Adrenaline製品情報
RocketCache 3240X8製品情報

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