超大作が並ぶ中、新人監督による作品が口コミで広がり、全米興行ランキングで3週連続1位の大ヒット! 本年度のアカデミー賞では、作品賞、主演女優賞、助演女優賞(本作から2人も!)にノミネートされ、見事、オクタヴィア・スペンサーが助演女優賞を獲得。見たら納得の、勇気と感動をいっぱいもらえる女子ムービーです。


 本作のテイト・テイラー監督の友人で、新人作家だったキャスリン・ストケットのデビュー作『ヘルプ 心がつなぐストーリー』(上下巻・集英社刊)が原作。ニューヨークタイムズ紙のベストセラーリスト1位に輝き、103週連続でランクインした人気小説です。

 映画の舞台は、1960年代のアメリカ南部。タイトルの“ヘルプ”とは、お手伝いをする人のことで、黒人メイドたちを表しています。

 大学を卒業し、ミシシッピ州ジャクソンの町に帰ってきたスキーター(エマ・ストーン)。ライターを目指している彼女は、地元の新聞社に就職し、家事に関するコラムの代筆を担当することに。家事の知識がないスキーターは、実母ではなく、育ての親とも言えるほど愛情深く世話をしてくれたメイドのコンスタンティン(シシリー・タイソン)に知恵を借りようと思いますが、彼女はある理由によって、もう実家にはいませんでした。

 スキーターの同級生たちは、みんな結婚しており、彼女は友人の家のメイドのエイビリーン(ヴィオラ・デイヴィス)から家事に関する話を聞くことにします。


 エイビリーンに取材をするうちに、スキーターは、結婚した友人たちは仕事も家事も育児もせず、何でもメイドに任せっきりであることを再認識し、南部の上流社会への疑問が芽生えていきます。

 黒人メイドには専用トイレを設置して、それを使用させるべきなどという活動も出てくる中、エイビリーンが雇い主からのひどい仕打ちに耐える姿に心を痛めるスキーター。彼女は、黒人メイドの現実を伝える本を書くことを決意します。


 そんなある日、エイビリーンの親友ミニー(オクタヴィア・スペンサー)が、メイドなのに家族用のトイレを使ったと、クビになってしまいます。メイドの証言を集めたいスキーターから協力を頼まれても、頑なに断っていたエイビリーンでしたが、ついにスキーターの取材に応じ、続いてミニーも自らの体験を語り始めるのでした。

 当時の南部では、黒人が自由に何かを発言すれば、身に危険を及ぼしかねませんでした。それでも、勇気を出してスキーターの本に協力することにしたエイビリーンとミニー。さらに、我慢の限界だったほかのメイドたちも、次々と口を開き始めます。


 差別意識が強い時代背景において、行動を起こすべく立ち上がった白人のスキーターと黒人のエイビリーン。2人の間に生まれる静かな友情に、心が熱くなります。

 また、ミニーと新しい雇い主のシーリア(ジェシカ・チャステイン)の関係も素敵です。シーリアには差別意識など全くなく、家族のようにミニーを慕います。本作の中で、ミニーというキャラクターはとにかく最高で、涙と笑いがあふれる、面白い見どころをたくさん作ってくれます。


 何か疑問を感じても、勇気を出して、足を一歩踏み出すのは簡単なことではありませんよね。でも、もしも自分が行動を起こせば、世界は変わるかもしれません。女性が紡ぎ出す素晴らしい変革を描いた「ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜」は、ただ黙って立ち止まっているのではなく、前に進む勇気をくれる映画です。

「白人女性と黒人メイドの絆が描かれた作品」DVD紹介

「リリィ、はちみつ色の秘密」


 自らの少女時代の体験を反映させたスー・モンク・キッドによるベストセラー小説の映画化作品。幼い頃、自らの過ちで大好きな母を死なせてしまい、心に深い傷を負いながら育った少女リリィ(ダコタ・ファニング)。乱暴で薄情な父との生活に耐えながら生きてきたリリィだが、黒人メイドのロザリン(ジェニファー・ハドソン)が白人から暴力を受けたことをきっかけに、彼女を連れて家を飛び出す。リリィとロザリンは、養蜂業を営む黒人3姉妹と出会い、長女のオーガスト(クイーン・ラティファ)から大切なことを学んでいく。

2008年/アメリカ/ダコタ・ファニング、クイーン・ラティファ、ジェニファー・ハドソン20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン/DVD<特別編>1490円/発売中
「風と共に去りぬ」


 1939年度に作品賞、監督賞をはじめ、10部門のアカデミー賞を独占した、ビビアン・リー主演の映画史上に残る永遠の傑作。1861年、アメリカ南北戦争直前のある日、ジョージア州タラで大園遊会が開かれた。パーティーの女王であるスカーレット(ビビアン)は、心に決めていた男性アシュレー(レスリー・ハワード)と、彼のいとこのメラニー(オリビア・デ・ハビランド)の婚約が、その日に発表されると聞いて怒り悲しむ。ところがその夜、ついに南北戦争が勃発し……。激動のアメリカを舞台に、強く激しく生きていくスカーレット。彼女が家族として愛し、頼っていたのは、乳母としてスカーレットを支えた黒人メイドのマミー(ハティ・マクダニエル)だった。

1939年/アメリカ/ビビアン・リー、クラーク・ゲーブル、ハティ・マクダニエル
ワーナー・ホーム・ビデオ/Blu-ray2500円、DVD1500円/発売中