自分の就活に影響があった

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就職白書2012 | 東日本大震災の影響(学生編)

自分の就活に影響があった


■東日本大震災の影響<学生編>

採用活動の遅れだけでなく、震災による精神的な影響も

学生たちの就職活動においても、震災の影響は大きかった。「影響があった」「やや影響があった」との回答が全体で60.9%となり、半数を上回っている。学生の現住所のエリア別に見ると、北海道・東北エリアが70.3%と、最も影響を受けている。被災地が含まれる地域のため、学生本人が被災したケースもあれば、志望企業の被災状況や交通の麻痺などが影響するケースもあったようだ。「震災の影響で、志望度の高い企業のエントリーシートが出せなかった」(宮城大学)、「選考がストップしている企業が多く、東北の学生は選考が遅れている」(東北学院大学)、「青森在住で東京の企業志望だが、東北新幹線が運行していないため、移動に時間がかかる」(北里大学)などの声とともに、「地震により、自分の中の時間が止まってしまった」(東北福祉大学)など、精神的なダメージから活動停止する被災地の学生もいた。

関東エリアは2番目に多く、68.7%の学生が影響を受けたと感じているが、多くは選考スケジュールの延期やバラつきにあるようだ。「地震で面接が延期となり、意欲が低下。活動が長期化する中、いつまで続けようか悩んでいる」(成城大学)という学生が。また、「ボランティアに行きたい思いはあっても、採用活動延期や中止によってかなわないことがつらい」(法政大学)という葛藤を抱える学生もいた。また、直接的な被災のない中部や関西、中国・四国・九州エリアの学生も、50%以上が影響を受けていると答えた。「直接被災した地域ではないが、阪神大震災のことなどを思い出して気分が暗くなり、そのような状態で選考を受けても通らないのではと不安に」(大阪教育大学)、「自分は被災していないが、地震の与えた影響が大きく、就職活動の意欲が失われた」(奈良大学)など、混乱する社会の状況に不安感を増す学生も多くいたようだ。


選考時期の変化と長期化で不安や納得のいかない思いが

震災の具体的な影響としては、「企業の採用スケジュールの変更」と回答する学生が最も多く、83.3%に。「自分のスケジュールとのズレに不安を感じた」(千葉大学)、「就職活動の終わりがさらに見えなくなり、どうしていいかわからない」(文京学院大学)などの精神面の影響だけでなく、「エントリー期間も選考も延び、卒論にも影響をきたしている」(関西大学)など、学業にまで影響が及んだ学生もいた。また、「同じ業界でも選考開始時期がバラバラに。複数から内々定をもらっても満足のいく活動にならないと思う」(東京理科大学)と考える学生も多く、選考期間が長期化することにより、選考の遅い企業をあきらめるべきか悩む状況も。

2番目に多かった震災の影響は、「企業からの連絡、採用情報の遅延」。62.6%の学生が影響を受けたと感じている。「選考の長期化は仕方がないが、企業も早くスケジュールを明確にすべきだと思う」(高知大学)との声が。

また、「交通手段の乱れに伴う移動への支障」の影響を32.3%の学生が受けている。被災地だけでなく、首都圏の計画停電なども影響したと考えられる。また、被災地の学生は、「実家が地震で全壊し、経済的に厳しい」など、金銭的にも苦しむケースが。しかし、こうした状況の中でも前向きに考える学生はいる。「選考が遅れ、時間が空くことで準備をする期間を確保できた」(北海道大学)、「選考期間にムラができたことで、多くの企業を受けられた」(早稲田大学)という学生も。また、「被災者や日本の将来について考え、選考時期の変更や延期など、不安を乗り越えなくてはと、頑張る気持ちが強くなった」(立命館アジア太平洋大学)など、考え方の変化もあった。ちなみに、就職活動に関する相談相手は、「友人」「家族」「大学の先生やキャリアセンター・就職部」がトップ3。こうした学生たちの就職活動を支える大学側の取り組みは実際にどうだったのだろうか?東北学院大学(宮城県仙台市)と福島大学に話を聞いた。