新卒採用活動への震災の影響

写真拡大

就職白書2012 | 東日本大震災の影響(企業編)

新卒採用活動への震災の影響


■東日本大震災の影響(企業編)

半数以上に「影響はあった」。地域ごとの格差も見られた

東日本大震災の採用活動に対する影響は大きく、半数を大きく上回る60.2%の企業が「影響があった」と回答している。また、地域による差も大きく、関東エリアでは74.5%、北海道・東北エリアでは70.8%の企業の採用活動に影響があった。全国で最も影響が少なかった地域は、中国・四国・九州エリア(25.2%)、次いで中部エリア(44.9%)となっている。津波や原発による直接的な被害を受けた、岩手・宮城・福島の地域に限定すると、回答した企業数そのものが少ないが、87.0%もの企業が「影響があった」と回答している。現地の交通機関の麻痺などがあり、採用活動も停止せざるを得なかったという状況があったと考えられる。また、自動車関連やメーカーなどの工場が多い地域でもあったため、ほかのエリアに本社を置く企業にも、少なからぬ影響があったとみられる。

学生の声にも、「自動車関係の企業に絞った結果、震災の影響もあり、選考に遅れが出ている」(金沢工業大学)、「製造業への就職を考えているが、震災の影響で1カ月ほど選考時期が遅れているように感じる」(東海大学)などが。また関東エリアでも、震災後の混乱や計画停電などの間接的な影響があった。学生からは「新卒採用を見直す企業や中止にした企業が多く、選択肢が狭められた」(文京学院大学)、「第1志望群の企業が採用を中止した」(慶應義塾大学)などの声が。地域間の格差を感じる学生もいたようで、「震災後も西日本では通常通りに選考が行われていたが、東日本はだいぶ長く選考が止まっていて不安」(中央大学)と答える学生も。ちなみに、直接的な被害のなかった近畿エリアでも、半数以上の企業が「影響があった」と回答。学生からは「震災で選考が延期になったところも少なくはない」(大阪国際大学)という声がある一方、「今回の震災が就職活動に影響を与えることはほとんどなかった」(近畿大学)との回答もあった。


採用選考プロセスでは、「説明会・セミナー」「面接」に影響

採用活動の期間も長引く傾向にあり、2011年卒との比較では、全体の半数近い48.7%の企業が「長い」との回答に。時期が変化した理由としては、やはり「震災の影響」を挙げる企業が多く、73.4%もにのぼった。また、「短い」と回答した企業も1割近くあったが、その理由のトップも、同じく「震災の影響」であった。震災の影響があった採用活動のプロセスとしては、1位が面接(62.8%)、2位が「説明会・セミナー」(56.0%)、3位が「内々定・内定出し」(55.5%)となっている。通常サイクルでは3月中旬ごろから5月下旬ごろまでに行われている説明会や面接が、そのままズレ込んでいったとみられる。学生からは、「説明会などの日程が震災により延期になったが、振り替え日が1日しかなく、参加したくても都合がつけられなかった」(敬愛大学)、「震災や計画停電などの影響で、説明会や選考会がすべてキャンセルになってしまった」(専修大学)などの切実な声も。

一方、2011年卒と比較した採用期間を「同じ」と回答した企業も41.5%あるため、選考を実施する時期のバラつきに学生が苦しむケースもあったようだ。「震災の影響で選考のタイミングがバラバラになって困る。遅れるなら遅れるで足並みをそろえてほしい」(成蹊大学)などの不満だけでなく、「震災による影響で、採用を止める企業と進める企業が出てきたため、自分の行く先が大きく変わった」(慶應義塾大学)という学生も。「地震の対応によって真の企業姿勢が見えた。地震当日に対応のメールを送信した企業もあり、危機管理能力が非常に優れていると感じた」(筑波大学)との声もあり、企業のさまざまな対応から企業姿勢を感じる学生もいたようだ。そこで、被災地に本社を置きながら採用数を拡大したアイリスオーヤマと、被災地支援の採用などを積極的に行ったクロスカンパニー(本社・岡山県)に、その考えを聞いた。