中村玉緒
 先月27日(日本時間)に開催された「第84回アカデミー賞」授賞式で、自身29年ぶり3度目のオスカーとなる主演女優賞を獲得したメリル・ストリープ出演の映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』。16日に公開され、都内劇場では複数回満席となる好スタートで初週を迎え、本日29日には東京・TOHOシネマズ日劇にて、マーガレット・サッチャーと同じく、母として、妻として、ひとりの女性として活躍する中村玉緒を招いてトークイベントが行われた。

 メリル・ストリープに尊敬の念を抱く中村は、和製サッチャーさながら、パールのネックレスに深いブルーのスーツ姿で“JAPANESE IRON LADY”と書かれたオスカー風の像を手に登場。「メリル・ストリープでございます。グフフッ。」とジョークを飛ばすと、観客からは歓声が沸き起こった。

 中村は「映画の神様であるメリルが大好きで、サッチャーさんは若い時に尊敬していた存在。」と述べると、サッチャーを真似たファッションをとても気に入った様子で、「こういった服装は初めて。実は私、足が細いんです(笑)。」と自慢の美脚を披露しつつ、「主人に見せたかったわ。」と、今は亡き夫の勝新太郎に想いを馳せた。

 アカデミー賞に17回ノミネートされているメリルに対して、中村は「女優として大変尊敬している」と何度もコメント。アカデミー賞の際、メリルが「受賞するはずがないから、金の洋服を着たら?」とのアドバイスを受けて受賞したエピソードを交えつつ、メリルとサッチャーの家族愛を重ねた。

 サッチャーは現在、認知症に悩まされており、劇中では亡くなった夫のデニス・サッチャーが何度も登場する。「夜寝ているとサッチャーの旦那が出てくるんですけど、私の場合は出てこないですね(笑)。」と語る中村は、「もし現れたら?」との質問に対して「抱きつきたい!」と、今も変わらぬ愛を告白。本作の夫婦愛や家族愛を受けて「俳優として勝新太郎のことを尊敬しています。大変なこともたくさんあったけど、何をされても憎めない存在でした。そして、後ろを向くとちゃんと息子と娘が支えてくれた。」と生前を想い出し、懐かしむように語った。

 また、双子が産まれた際、夫から2重のパールのネックレスを夫からもらったサッチャーに対して、中村は夫から唯一プレゼントされたものが“ペアの時計”であることを明らかに。最後に、「過去と現在が交互に映し出される光景が素晴らしい。」と本作の構成の良さを絶賛するとともに、「家族を愛し、明るい家庭を作って、議員になれたという女の強さ・優しさを見ていただきたいです。たくさんの若い方にも見ていただいて、ぜひ“鉄の女”を目指してほしいですね。」と力強い言葉で締めると、和やかなムードの中イベントが終了した。

『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』 - 作品情報

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