経営難で日本の団体への売却が検討されていた済州平和博物館が、多くの韓国国民の支援により売却することを中断したと27日、発表した。複数の韓国メディアが報じた。

 博物館のイ・ヨングン館長は報道資料を通じ、「博物館が日本に売却されることが明らかになってから、多くの韓国国民から援助や声援を送ってくれた」と明かし、経営難だが具体策が出るまで売却は中断すると伝えた。

 済州平和博物館は、イ館長が戦争の苦痛を子孫の代に伝えるため建設し、2004年に開館した。旧日本軍が太平洋戦争を準備するために掘った洞窟基地や、日本軍の武器など2000点あまりが展示されている。06年、近代文化遺産登録文化財第308号に指定された。

 3年ほど前から来館者が減少し、経営が悪化したことからイ館長は苦心の末に博物館の売却を検討した。これに関心を示したのが、日本の団体だった。韓国のインターネット上では、「日帝時代の遺跡が日本人の手に渡る」と伝え広まり、韓国の大手ポータルサイトでは売却の中断を求める動きが活発化。博物館の経営を助けるため、募金運動も行われた。

 イ館長は、「全国各地で900人あまりの後援者が、2300万ウォン(約170万円)を送金してくれた」とし、「みなさんの応援メッセージが、私の失敗を正してくれた」、「ソウル市蘆原区のキム・ソンファン区庁や、VANKのソ・ギョンドク教授をはじめ、文化財庁や済州道も対応策を講じてくれそうだ」と話した。(編集担当:新川悠)