自前で「ボタン」を開発するという発想がスゴイ

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フェイスブックの「いいね!」ボタンは2010年7月時点で、1日30億回もクリックされていたそうだ。当時のアクティブユーザー数が約5億人、いまでは8億人を突破していることを考えると、単純計算で1日50億回近くも「いいね!」が押されていることになる。途方もない数字だ。

「いいね!」ボタンは、ユーザーのニュースフィードに変化を起こし、ユーザー間の交流を促進する。この「いいね!」ボタンを、自前のサイト用に作ってしまったのが、先進的なマーケティングで知られる日本コカ・コーラ社の「Happyボタン」だ。

ブログに貼ると、コカ・コーラのサイトからリンク

「Happyボタン」は、ユーザー同士が「Happyな気持ちになれること」を共有し、広めることができるウェブサイト専用のボタンだ。日本コカ・コーラの会員制サイト「コカ・コーラパーク」で会員登録を行い、審査を通過すると、自分のブログやサイトにこのボタンを設置することができる。

Happyボタンを設置したサイトでは、ボタンが押された回数が一目で分かり、どんなサイトでボタンが押されているかは、コカ・コーラパークでも紹介されリンクがはられる。サイトごとの「Happy」数ランキングもある。

会員がHappyボタンを押した情報は、連携したツイッターやフェイスブックでも共有される。これにより、その人の行動履歴が共有され、自分のサイトやブログをソーシャルメディアを通じて広めるきっかけ作りにもなる。

Happyボタンを押すたびに、会員にはコカ・コーラパークで利用可能なポイント「パークG」が付与される。現在は、3500パークGでフランスの高級自転車「ルイガノ スポーツバイク」が当たるキャンペーンを実施中だ。フェイスブックの「いいね!」は何度押しても見返りがないが、Happyボタンには特典があるところが魅力だ。

1000万人の会員をいかにアクティブにするか

自前のHappyボタンを開発し、外部サイトに設置させることにより、会社はユーザーの趣味嗜好に関する情報を収集できる可能性がある。どのような属性を持った会員ユーザーが、どのようなコンテンツに関心を示すかを確認できるからだ。

これにより、精度の高いマーケティング施策に反映させることも考えられる。ただし「パークG」ねらいの懸賞好きユーザーもいそうなので、どの程度精度の高いマーケティングデータが期待できるのかは不透明なところもあるのではないか。

むしろ、1000万人の会員を擁する「コカ・コーラパーク」にさらに多くの人を呼び寄せ、会員化を促す方が優先順位は高いかもしれない。いちど会員になった人に、サイトへたびたび訪問してもらうねらいもあるだろう。

多くの会員を擁するサイトにとって、 一度登録してもらったユーザーをアクティブなリピーターに変えることは重要な課題だ。このサイトのように、フェイスブックなどのソーシャルメディアと連携してオープンなサイトになることは、ひとつの選択肢となる。

ただ、サイトの訪問者を増やすだけなら、フェイスブックページと「いいね!」ボタンの組み合わせだけでも、それなりのことができる。普通の会社では、まずはその部分からきちんと取り組んでみるべきだろう。(岡 徳之)