「変人萌え」。これは東京・有楽町の三省堂書店が、三浦しをんさんの小説『舟を編む』(光文社)に付けた書店ポップの一つです。

 出版社の辞書編集部を舞台にした同書。地味で堅いイメージがある辞書ですが、三浦さんは辞書づくりに関わる人々を、個性的で魅力的な「変人」として愛を持って描き出しています。

 「言葉」のスペシャリストでありながらも、他人とのコミュニケーションを苦手とする主人公・馬締光也(まじめみつや)を始め、辞書づくりに一生を捧げ、食事中でも用例採集カード作りに励む松本先生など、登場する人物は、他人から見れば、「どうしてそこまで?」と疑問を抱くほど、辞書づくりに没頭しています。

 しかし、「言葉」は人間が生きていく上で欠かせないものでありながら、時代と共に変わっていくものでもあります。その日々変わっていく「言葉」を捕まえるためには、生活の全てを捧げなければならない。同書を読み進める内に、そんなことがわかってきます。

 彼らは不器用で、ひたむきな「変人」だからこそ、辞書という困難な仕事に挑むことができる。その物語は、本物の辞書編集者をして「目を潤ませながら読んだ」と絶賛されたほどだとか。

 同書は昨年9月の刊行以来、紀伊國屋書店の書店員が選ぶ「キノベス!2012」で年間1位に輝いたほか、「2012年本屋大賞」にもノミネート。権威ある文学賞とは縁がありませんでしたが、とにかく書店員から評価が高い本として、出版から半年以上たった今も売れ続けています。

 「胸が熱くなりました」「魂が熱くなりました」とは、本のオビに掲載された全国の書店員からのコメント。物語の魅力のみならず、「辞書」という書店員にとって親しみのある分野が舞台だったことも、彼らに「売りたい!」と思わせた理由の一つだったのでしょう。





『変人たちが織り成す辞書づくりの物語に全国書店員が「胸熱」』
 著者:
 出版社:光文社
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