本紙連載「インテリア閑話」でお馴染の本田榮二氏が昨年12月出版した『ビジュアル解説 インテリアの歴史』(秀和システム)の図書館納入実績が発売後約3カ月で300館を超え、現在305館に達している。図書館納入実績は、売上状況及び内容を判断する1つの指標となっており、図書業界関係者によれば、インテリア関連書籍で300館を超えるのは異例という。

日本には図書館が5932館ある。内訳は公共図書館4691館、大学図書館1080館、専門図書館161館で、このうちインテリア関係本を購入する可能性があるのは、専門図書館を除く、公共図書館と大学図書館の計5772館。購入する本の選択は図書館司書という公的資格を持つ専門員が担当している。これら専門員が、毎日洪水のように出版される多数の本から、学術性や重要度、利用者ニーズを総合的に判断しながら選択しているが、インテリア関連書籍はなかなか選択されないのが現状である。インテリア関係書籍があまり選ばれない理由は、優先度の高い学術書が少ないと判断されていることと、インテリア業界の情報発信が弱いため利用者ニーズとして顕在化しにくいという2点が考えられる。
こうした状況の中、『インテリアの歴史』が初期段階で300館以上の納入実績を確保したことは大いに評価できるという。

著者の本田氏は「インテリアの歴史は表層的なデザインの話ではない。ギリシャ・ローマやロマネスク、ゴシック、バロック、ロココ、アールヌーボーなどさまざまなインテリアの歴史は、その時代、その社会における必然性から誕生している。本書は単なる時系列的な記述に留まるのではなく、気候風土や歴史、経済、社会、人々の暮らしを丹念に分析しながら、インテリアの各様式が誕生した背景を検証することに主眼を置いた」と述べている。背景を重点的に検証する考察法は、現在ベストセラーで、新聞紙上で話題になっているウイリアム・Hマクニール著『世界史』(中公文庫)に通ずるものがある。
なお『インテリアの歴史』は545ページ、オールカラー。写真&図版460点収録。価格は2940円(消費税込み)。

■「インテリアの歴史」目次
第1部 西洋編
第1章:インテリアの曙 古代四大文明 
第2章:ギリシャ・ローマ時代の室内装飾 
第3章:ビザンツとイスラム
第4章:中世の室内装飾
第5章:近世のインテリア
第6章:現代のインテリア

第2部 日本編
第7章:古代の室内装飾
第8章:中世の室礼(鎌倉時代〜江戸時代)
第9章:近代日本のインテリア(明治時代〜現代)