幅広い提案で顧客の成功をサポート

ビジネスパーソン研究FILE Vol.163

株式会社クロス・マーケティング 遠藤亮さん

幅広い提案で顧客をサポートする、営業マネージャーの遠藤亮さん


■新規開拓の難しさを痛感するが、「相手の立場になり、真剣に一緒に考えていく」面白さを実感!

人事コンサルティング会社にて4年半、営業を担当していた遠藤さん。企業の人事担当をお客さまとし、採用やアセスメントツールの作成などに携わってきたが、「もっと大きな世界が見てみたい。最前線で働く現場の人々と触れあってみたい」と考えるようになったという。そこで、以前から興味のあったマーケティングを学べる仕事を探すことに。前職で適性検査ツールの作成などをした経験を生かそうと考え、幅広くマーケティング・リサーチを手がけるクロス・マーケティングに転職を決めた。

入社後、2週間の研修を受けた後、営業部門に配属された遠藤さん。仕事内容は、消費財メーカーを中心とした企業や広告会社、コンサルティングファームなどに向けた、マーケティング・リサーチの企画・提案営業だ。先輩社員から顧客を引き継ぐだけでなく、新規開拓もどんどん手がけていかねばならず、アポイントを取るための電話営業が最初の壁になったという。
「前職で新規開拓の営業も多少は経験しましたが、まったくのゼロから電話をかけるのは初めてのこと。もともと僕は『お客さまとしっかり話をして、相手のことを理解したうえで提案し、信頼関係を築く』というスタイルだったので、電話という短い時間で相手の心をつかむことの難しさを痛感しました。また、自分自身が慣れない業界のため、知識も追いつかず、サービスについての具体的な質問をされても答えられない点に歯がゆさも感じましたね。とにかく数をこなし、経験の中で知識を身につけていこうと考えました」

一日に平均30件の電話をかける日々の中、「会ってもいないのに、ウチの会社の何がわかるのか」「どこでも一緒じゃないの」と言われることも多かった。
「最初から最後まで興味を持ってくれない相手に向けて、一生懸命に話し続けることが虚しく、つらさを感じることもありました。しかし、『悪いものではなく、いいものを提案したいのだから、そこで傷つくのはおかしい』と考え、気持ちを切り替えました。『5件断られたら100円貯金する』というテレアポ貯金など、自分のモチベーションを維持するための工夫もしましたよ(笑)」

相手の対応に合わせて話す内容の順序を変えるなどの試行錯誤も続け、1カ月後には効率的な電話営業ができるようになったという。そんな遠藤さんが仕事のやりがいを実感したのは、入社3カ月後のことだった。
「そのころ、ピラティスのジムに通っていたんですが、男性客が少なく、女性の中に男性1人という状況になったことがありました。僕のような男性客にとって、まだまだ改善してほしいところがあるはずだと感じ、『これはチャンスだ』と思いました。さっそくジムを経営する会社に『お客さまの声に耳を傾けるために、マーケティングに力を入れてみては?』と電話してみたところ、すんなりとアポが取れたんですよ」

アポイントの当日、先方の担当者に向け、「自分は男性客としてこう感じた」「もっと改善すれば、さらにお客さまが増えるのでは?」と話すうち、相手からもさまざまな悩みを聞くことができた。持てる知識を総動員し、どうすればいいのかを提案していくうちに、遠藤さんの中で「この会社にもっと成功してほしい」という気持ちがどんどん強くなっていったという。
「一生懸命に話をするうちに『キミ、いいね! 信頼できそうだから任せるよ』と言ってもらうことができました。自分を評価してくれたこともうれしかったけれど、それよりも、お客さまとじっくり話していろんな考えを知る面白さを実感し、仕事のやりがいを強く感じましたね。僕にとって、本当の意味でお客さまの立場にたって、真剣にどうすればいいかを考えることができたのはこれが初めてだったと思います。『一番の先生はお客さま』という言葉がありますが、それを心から実感できた! お客さまに成功してもらいたいという気持ちが最初にあって、そこからどうすればいいかを考えていく。僕の営業に対する姿勢はこの時から大きく変化しましたね」


■かつてない提案で、一大プロジェクトが成功! そして、入社3年目でマネージャーに就任

入社2年目には、遠藤さんは取引規模の大きな既存顧客を担当することになる。一社からご依頼いただく仕事の数が多いため、時間をかけてじっくり話をしながら顧客の考え方を知ろうと考える。
「新規開拓より、むしろ既存のお客さまのつながりを太くし、潜在的なニーズを引き出す方が得意だと感じていたのでうれしかったですね。お客さまへの心遣いを忘れず、丁寧な対応をしようと考え、見積もり作成ひとつにもこだわりました。お客さまからの要望がなくても欲しいタイミングを先回りして考え、その時点で必要なものは大まかなものか、細かいことまで知りたいのかを判断し、さらには社内でお客さまが使うことも考えて、社内資料としての使いやすさまで考慮した内容にしていきました」

また、依頼された要望をそのまま提案するのではなく、さまざまなリサーチ手法を組み合わせ、複合的な提案をするように心がけていった。「常にお客さまありきの姿勢を持ち、どうしていくのが一番いいのかを考える」。そんな思いを大切にし、新たな提案にチャレンジを続けた遠藤さんは、ついに大きなプロジェクトを任せてもらうまでになる。
「お客さまから日本人向けに提供しているサービスを中国人向けにつくりたいという相談を受けたんです。そこで、日本語を理解できる中国人にサービスを受けてもらう提案をしました。現地のパートナー企業に協力を頼み、中国人のデータを取ることに加え、中国語と日本語を理解できる在日中国人にモニターになってもらえれば、バイリンガルのデータも取れる。これは一石二鳥だと考えて提案したところ、『それ、いいね!』とすぐにOKをもらうことができました」

社内の運用チームとともに、在日中国人に募集をかけるところから、実際にサービスを受けてもらい、報告書をまとめていくところまで、すべてに立ち会った遠藤さん。
「お客さまのことを誰よりも知っているのは僕なので、すべてに立ち会いたかったんです。おかげでプロジェクトがどう進められていくのか体感することができましたし、何より、自分のイメージ通りにプロジェクトが進んでいく面白さを実感できました! すべてが終わった時、お客さまから『遠藤さんに頼んで良かったよ』という言葉を頂き、チャレンジして良かったなとしみじみ思いましたね」

見事、一大プロジェクトを成功させた遠藤さんは、入社2年目にして全社の営業部門における売上第1位に輝くことに!
「入社1年目のころは、毎月の売上目標すら達成できない自分を歯がゆく感じていましたが、入社2年目には年間通しての目標もクリアできました。ようやく自分に対して、『やればできるじゃん!』と思うことができましたよ(笑)」

そして入社3年目、遠藤さんはチームをまとめるマネージャーに抜擢される。自分の売上目標に加え、メンバーのマネジメントも行い、チーム全体を任される立場となったのだ。
「当初は3人のメンバーをまとめていました。売上目標だけでなく、仕事内容についても把握しなくてはならないので、自分のお客さまだけでなく、メンバーのお客さまも知らなければいけない。毎日、進捗確認をして、毎週、全メンバーに今後どうしていくべきかアドバイスをし、メンバーのお客さま先訪問にも同行する。自分のことだけに集中できたころとは違い、時間がいくらあっても足りないと感じました。それに、チームのリーダーとしてみんなを引っ張るためには、僕自身が高い目標を達成できていなければ説得力がないと感じて。これもまた大きなプレッシャーになりましたね」

多忙な毎日と責任の大きさに、つらいと感じたこともあった。しかし、マネージャーを経験する中で、常に先を見て計画、実行し、チェック、改善をしていくことの大切さを学ぶことができたという。
「自分1人ではなく、チーム全員でどこまでいけるか、知恵を絞っていくやりがいを感じましたし、計画通りに物ごとを進める面白さを知ることができましたね」

現在、遠藤さんは2つのグループ、7人のメンバーをまとめている。一人ひとりと信頼関係を築くため、全員と何度も面談を繰り返し、距離を縮める努力を続けた。チームがまとまった今でも、一日に一度は各メンバーと話をし、飲みにもよく出かけているという。
「今では、メンバーが楽しそうに仕事をしている姿を見ることが一番のやりがいになっています。異動したメンバーが『このグループ、サイコーだ!』と言ってくれたときは本当にうれしかったですね。今後もチームでの目標達成を目指し、成功していく喜びを分かち合っていきたいと思います。そして、僕のチームから次のマネージャーを生み出していきたいです!」