サッカーW杯南アフリカ大会の決勝トーナメントのパラグアイ戦や、女子W杯決勝のアメリカ戦など、日本代表の試合において、印象深いPK戦は数え切れないほどあります。GK川口能活が神がかりなセーブをみせた2004年のアジアカップでは、PK戦での勝利がチームに勢いを与え、結果的に優勝を勝ち取ることができました。また、海外では、1994年のW杯決勝でR・バッジオがゴール枠を外したキックは、大会を象徴するシーンとして今でも取り上げられます。

 サッカーにおけるPKとはジャンケンみたいなもの。どちらが勝ってもおかしくないので、見ている側はハラハラと楽しめますが、選手やチーム関係者にとっては難しい局面となります。PKになるとピッチから背を向ける監督も少なくありません。

 これからはじまる2014年W杯アジア最終予選。決めなければ予選敗退が決まる試合終了間近のPKで、もしあなたがキッカーだったら、落ち着いてゴールを決めることができるでしょうか。

 伊坂幸太郎氏の書籍『PK』は、「PK」「超人」「密使」からなる"未来三部作"。「PK」では、このキックを決めなければW杯に出場できない、という窮地に立たされている日本代表選手・小津に焦点があたります。そして、そのPKシーンは一人の男を動かします。ある大臣が秘書官に調査を依頼した内容は「あの時、どうして小津選手はPKを決めることができたのか」。

 ロスタイムでのPKを蹴る直前、小津のそばに近づき話しかけたのがMF宇野。2 人は小声でいくつかの会話を交わし、その直後、小津は顔をほころばせ、誰が見ても明白なほどに体の強張りから解放されたのです。そして、その様子はカメラに残され、分析、引用され、さまざまな憶測が飛び交いました。その瞬間にあった真実とは......。

 その決断が未来を変える。連鎖して、三つの世界を変動させる。「PK」「超人」「密使」は、こだわりとたくらみに満ちた三中篇です。



『W杯出場がかかったPKをなぜ決めることができたか?  伊坂幸太郎『PK』』
 著者:
 出版社:講談社
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