人見知り、治そうと努力するのは逆効果!?

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入社式や歓迎会など、春は新しい出会いが多いもの。でも「実は人と話すのが苦手で......」と内心憂鬱な人もいるのでは。そこで"人見知り"について、心理カウンセラーの阿久津まどかさんにお話を伺いました。

阿久津さん曰く、大人の人見知りは"知らない人を見て恥ずかしがる・嫌う"というよりも、人前だと緊張してしまう「対人緊張」の傾向が強いのだとか。そう言い換えられると「私それなのかも......」と思い当たる人も多いのでは? そもそもこの人見知りとは、どうして起こるのでしょうか。

「見知らぬ人に警戒心を抱き、緊張を感じるというのは、動物的な本能なので当然のことなんです。だから、人見知りの心理というのは実は誰の心の中にも存在します。その量が多いか少ないかの問題なんです。人と話すことに苦手意識があったり、億劫だったり、過剰なプレッシャーを感じる方、もしくは人と接すると声がうわずったり手が震えたり、汗をかいたり赤面したりという方は"人見知り"の可能性がありますので注意が必要です」(阿久津さん)

●人見知りになりやすいタイプとは
「性格はまじめで努力家、几帳面。人の評価を気にするタイプや完全主義の人がなりやすいですね。こういったタイプの人は、『人に嫌われたくない』『高く評価されたい』『人前で恥ずかしい姿を見せたくない』『人に不快な思いをさせてはいけない』といった気持ちがあまりに強いため、もし自分が相手に受け入れられなかったら、がっかりされたらと、不安を感じて緊張するのです」(同)

●努力するほど空回りする『努力逆転の法則』
「人は一度自分の緊張を意識してしまうと、緊張している姿を悟られないよう、緊張を努力で取り去ろうとします。しかし、心には『努力逆転の法則』というのがあって、緊張しないように努力すればするほど余計に緊張するものなんです」(同)

眠れないとき、羊を数えると余計に目がさえてしまうときの心理と一緒ですね。そういった緊張スパイラルから抜け出すには、どうしたらいいのでしょうか。

「『緊張=悪』だと思わずに、素直な気持ちで自分自身を認めることが大切です。その上で、何が原因で緊張しているのか、自分の感情を客観的に眺めてみる癖がつくと『努力逆転の法則』の悪循環を断ち切ることができますよ。また『失敗しても人から嫌われても、それですべてが終わりじゃない』と根本から考え方を変えることで、緊張がとけることも多いです」(同)

●人見知りを"強み"にかえる
人見知りだと仕事場で苦労することも多いですよね。ビジネスシーンで使える対策を教えてください。

「人見知りを隠そうとするのではなく、『緊張してうまく話せないかもしれませんが、よろしくお願いします』『私、ちょっと人見知りするところがあるんです』など、オープンに自分をさらけ出すのは効果的。緊張しながらも真面目に取り組む姿勢がかえって好印象を与えることもありますよ」(同)

"人見知り"をカミングアウトすることで、好印象を与えるとは、まさに逆転の発想! 上手く話せずに「この人、私が嫌いかも」と誤解されるのも防げるので一石二鳥といえます。つい短所だと思いがちな"人見知り"ですが、緊張するのも一つの個性。そう割り切って、人見知りとうまく付き合っていけるといいですね。
文●ゴヘイ(エフスタイル)

取材協力:APC朝日パーソナリティ・センター
室長/心理カウンセラー 阿久津まどかさん
http://www.apc-shinri.com

プロフィール:1992年、東洋大学文学部教育学科にて教育心理学などを学ぶ。その後、APC付属心理教育学院、放送大学などでメンタルヘルス、カウンセリングを学びスクール母体の心理クリニックにて心理カウンセラーとして勤務。年間約800件の心理カウンセリングをこなす。2004年、同クリニックの室長に就任。専門分野は女性のメンタルヘルス、コミュニケーション不全。日本女性心身医学会会員。