スポーツ用品・アパレル編

業界トレンドNEWS Vol.123

健康ブームで業界は拡大基調。ファッション性の高さがカギを握る!?


■登山や自転車、ランニングなどのブームをとらえたファッション性の高い商品の提供が差別化の鍵

矢野経済研究所の「スポーツ用品市場に関する調査結果 2011」によれば、2010年のスポーツ用品国内市場は、対前年比0.1パーセント増の1兆2863億円と見込まれている。08年まで、市場規模は順調に成長。09年は景気後退の影響を受けてやや落ち込んだが、1年で再びプラスに転じた。11年の市場も、対前年比で2パーセント程度成長する予測。消費者の健康志向が高まっている状況を受け、業界は拡大基調にある。主な国内メーカーとしては、アシックス、ミズノ、デサント、ヨネックス、ゴールドウインなどが挙げられる。一方、海外メーカーとしてはナイキ、アディダスなどがメジャーだ。また、小売業ではゼビオ、アルペン、メガスポーツ、ヒマラヤなどがある。こうした大手小売チェーンはスポーツ用品全般を扱うケースが多いが、各分野に特化した専門店(例えば、サッカーの加茂商事など)も数多く存在する。

ここ数年で大きく伸びているのが、アウトドア分野とサイクルスポーツ分野。登山ブームや自転車ブームがけん引役となり、関連用品・アパレル品が売れている。また、ウォーキング・ランニングなど、パーソナルトレーニング分野の商品も人気だ。特に女性向けの商品は、ファッション性の高い商品が次々と生み出されている。多様なデザイン・カラーを用意する「多品種少量生産」が基本で、新しいモデルが投入されるサイクルも早くなる傾向だ。一方、一昔前は大きな収益の柱だったウインタースポーツ分野は、スキー・スノーボード離れの進展によって不振。各社にとって、流行を先取りした新商品の提案能力は、さらに重要性が増していきそうだ。なお、野球・サッカーはチームスポーツ用品市場の多くを占め、堅調に推移。少子化によって長期的には縮小の可能性もあるが、スポーツ愛好家のすそ野を広げる意味もあり、部活動需要の獲得に注力する企業が多い。

このところ、ナイキなど外資系メーカーが直販店の展開に力を入れている。これに対抗するため、国内メーカーも直営店の出店を加速。07年以降、アシックスがランニングシューズなどを扱う専門店、デサントが女性向け商品の専門店を開設した。また、ミズノは直営店「ウエルネスショップ」で、シニア層向け商品の販売強化に乗り出している。このように、直営店を開くことでブランドイメージを高めようとする動きは、今後も活発に行われそうだ。

また、堅調なスポーツアパレル業界を狙い、他業界からの参入も盛んだ。スーパーや百貨店がスポーツ分野の取り組みを強化したり、一般アパレル企業がスポーティなブランドを作ったりして、スポーツ専門メーカー・小売店の強力なライバルとなりつつあるのだ。その逆に、スポーツアパレル企業が一般アパレル分野に進出するケースもある。例えば、ゼビオはカジュアル衣料品の品揃えを強化した店舗を開業し、若年ファミリー層への取り組みを強化している。

他業界と同様に、海外進出を目指す企業も増えている(下記ニュース記事参照)。また、スポーツカフェやフットサルコートの運営などを行う企業も少なくない。新たな収益の柱を作り、同時に、ブランド価値向上やスポーツ愛好家を拡大するのが狙いだ。