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 プロボクシングWBC世界スーパーバンタム級王者・西岡利晃(35=帝拳)が、日本人初の名誉王者に認定されたことが、3月16日(日本時間17日)にWBCが発表した。

 正規王者は通常、少なくとも年に1度はWBCが指名する挑戦者と防衛戦を行う義務があるが、名誉王者に昇格すると、そうした制限がなくなり、好きな時に好きな相手と対戦できる特権が与えられる。

 西岡は今後の対戦相手として、WBO同級王者で世界4階級制覇王者のノニト・ドネア(29=フィリピン)に絞っているが、ドネアとの交渉が長引いても、期限を気にせず、じっくり交渉に臨むことができ、無理に他の相手と防衛戦を組む必要がない。

 名誉王者に明確な認定基準はないが、WBCが03年に創設。王者としての実績などが評価されて認定される。これまでに、元3団体統一世界ヘビー級王者マイク・タイソン(米国)、元4団体統一世界ヘビー級王者レノックス・ルイス(英国)、世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザーJr.(米国)らが認定を受けた。西岡は14人目で日本人としては初の快挙。

 西岡は08年9月15日にナパーポン・キャッティサクチョーチャイ(タイ)との王座決定戦を制し、同級暫定王座を奪取。その後、正規王者に認定された。昨年10月1日(日本時間2日)には米ラスベガスで、元2階級制覇王者のラファエル・マルケス(メキシコ)を退けV7。日本人として、初めて本場米国での世界王座防衛を果たした。西岡が残した実績は誰にも文句を付けられるものではなく、わずか14人目という名誉王者認定も称賛されるものだ。

 しかし、それに伴う弊害があるのも事実。西岡の昇格によって、4月21日(日本時間22日)、
米テキサスでの前IBF世界バンタム級王者アブネル・マレス(メキシコ)vs元WBO世界バンタム級暫定王者エリック・モレル(プエルトリコ)は、WBC世界スーパーバンタム級王座決定戦になることに決まった。つまり、これによって、同級には2人の世界王者が存在することになる。

 一方のWBAは01年からスーパー王者を認定しており、現在7人のスーパー王者が存在する。元来、WBAは暫定王座を乱立してきたため、階級によっては3人の世界王者がいる現状だ。

 誰がどう考えても、本来、世界王者は1人でなくてはならないはず。WBCは暫定王座の乱立はしておらず、現役の名誉王者も西岡1人ではあるが、同じ階級に2人の世界王者がいるのは不自然。これは、王座乱立につながりかねず、“名誉”を与えるのは現役引退後でいいのではなかろうか。
(落合一郎)