生活保護プロジェクトチーム座長に就任:生活保護の聖域無き見直しを

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今回は世耕弘成さんのブログ『世耕日記』からご寄稿いただきました。

■生活保護プロジェクトチーム座長に就任:生活保護の聖域無き見直しを
先日自民党内に設置された“生活保護に関するプロジェクトチーム”の座長に就任することになった。

私は、消費税を増税しても社会保障の給付に切り込むという厳しい政策を取らなければ財政再建にはつながらず、結局財政を悪化させるだけだという考え方に立つ。真の財政再建のためには社会保障に切り込んでいかなくてはならないし、そのためには国民に自助・自立、共助の精神に基づく協力をお願いしなくてはならない。その象徴的な分野が生活保護である。

最終的なセーフティネットとしての生活保護の役割は非常に重要であるということは当然である。しかし政権交代以降、民主党政権の方向転換により生活保護認定の緩和が行われてきた結果、生活保護費は3兆7000億円(平成24年度予算案ベース)を超えており、自民党政権最後の予算である平成21年度と比べて7000億円の増加。リーマンショック前の平成20年度と比べると1兆円の増加となっている。真のセーフティネットとしての機能は大切にしつつ、受給者に自助の精神での自立を促し、生活保護給付を抑えていかなければ、財政再建などおぼつかない。

生活保護にかかわるデータをざっと見ただけで、違和感を覚える数字にいくつも突き当たる。たとえば、生活保護予算のうち約半分が医療扶助に使われている点。保護を受けている世帯の約17%が高齢者世帯でも傷病・障害者世帯でも母子世帯でもなく、働くことが可能な世帯だと推測されること。自治体によって生活保護を受けている世帯の率が大きく異なること。などなどである。また国民からは特に「年金よりも生活保護の方が高いのはおかしい。不公平だ」という声が多い。

プロジェクトチームでは、こういう疑問点に切り込みながら、専門家の意見も聴き、福祉事務所等現場の視察を行って、ケースワーカーや民生委員の声も聴きながら議論を進めていきたい。

1か月程度でプロジェクトチームとしての結論を導きたいと思っている。議論の結果内容は変わるかもしれないが、座長として、生活保護のセーフティネットとしての機能は大切にしつつも、特に就労可能な世代の保護対象者に対しては自助・自立の精神で就労してもらうよう、就労支援体制を強化した上で一定の期間を切った保護に切り替えていく。食費や住居に関してはお金を給付するのではなく、現物給付に切り替えていく。医療扶助に関して病院を指定する、少額の自己負担を導入する。などの改革案をとりまとめていきたい。

執筆: この記事は世耕弘成さんのブログ『世耕日記』からご寄稿いただきました。