「スーパー ロボティクス プログラム」の様子。ロボットについての講義や実習に取り組む。さらには学会に参加し、ロボット研究の最前線についてリサーチをすることも可能。

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唐突だが、あるエピソードをご紹介させていただきたい。タモリは高校時代、「何でもいいから有名になりたい」と決意。この頃から、有名人になるための練習を行っていたという。
それは、今に繋がるあの人の生き方に通じるかもしれない。彼は「俺も有名人になるんだから、他の有名人の悪口を言うのはやめよう」と胸に決め、それを実践するようになったらしいのだ。やはり、成功する人は少年期からして違うな! 将来を見据え、その準備を粛々と進めていたようだ。

ただ、行動を起こすには目標が必要だろう。目標があるからこそ、どう自分が動いていいかがわかる。……しかしそれがなかなか難しいのが、今の世の中。何せ、現代は「三平時代」と呼ばれているのだから。
かつて、男は女性から「高学歴、高収入、高身長」という三要素を求められていた。いわゆる“三高”である。でも、今の合コン事情と言ったら! いつの間にか、公務員が圧倒的人気を誇っているという状況じゃないですか。
これぞ、「三平時代」の表れ。現代は、平均年収で平凡なルックスで、平凡な暮らしを男女ともに望んでいるようなのだ。もちろん、安定を求めるのは悪いことではない。でも、それだけを求めて公務員になるのは味気ないというか、何というか……。

そんな中、大手予備校「早稲田塾」の試みが際立っている。「“自分のやりたいこと”をもって、若者に活躍してほしい」という願いから、「次世代のリーダー育成プログラム」を実施しているという。
興味深いのは、その授業内容である。人の役に立つロボット研究について学んだり(スーパー ロボティクス プログラム)、最先端の遺伝子工学とシステムバイオロジーに取り組んだり(スーパー バイオサイエンス プログラム)、環境問題考察のために現地調査に赴いたり、あの竹中平蔵教授(慶應義塾大学)が教鞭を執ったり(竹中平蔵 世界塾)。

何とも、密度の濃い! でも正直、高校生にはチト早いのでは? ……と思う私は、浅はかだった。

竹中平蔵氏は、こう断言している。「高校時代こそが鍵となる」と。
でも、どうして高校時代が大事なのか。理由は単純。だって、「自分が何をしたいのか?」が見つかれば、自分の歩むべき道も決まっていくから。要するに、自分の目指す将来に合った大学に進めばよい。早稲田塾は、このプログラムを「将来的に自分が何をして生きていきたいのか」を見つける絶好の機会にしてもらいたいと考えている。

どうだろう。もう、既存の予備校とはイメージを変えていく必要があるかもしれない。“大学に入るための予備校”ではない。同塾では、生徒が何を学びたいのか、そのためにどの大学に進み、将来をどう切り開いていくのか。そういった「進路発見指導」に取り組んでいる。

平均年収で平凡なルックスで、平凡な暮らしを男女ともに望んでいる“三平時代”と騒がれる日本に、とても必要とされている“教育”ではないだろうか。
「何でもいいから有名になりたい」という将来の目標を持って、努力を続けてきたタモリの話をしたが、将来を見据え、その準備を粛々と進めて夢を叶えたタモリ。彼は、間違いなく早稲田塾の考える理想の人物と言えるのかもしれない。
(エキサイトニュース編集部)