東日本大震災から1年。各地で追悼イベントが行われた中、東京のLive Bar X.Y.Z.→Aは「震災1年後チャリティーマラソンライブ」を開催。20組以上の音楽人が約8時間に渡ってライブを開催した。写真はトリをつとめたThe Paisleys。

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 2011年3月11日に発生した東日本大震災から1年。各地でさまざまな追悼イベントが行われた中、東京・八王子市のLive Bar X.Y.Z.→Aは「震災1年後チャリティーマラソンライブ」を開催。アマチュアから有名ミュージシャンまで20組以上の音楽人が集まり、約8時間に亘って被災者へエールを送った。

 会場の提供者で主催者であるファンキー末吉の「去年の震災の後、“演奏活動さえも自粛するべきだ”という考えと、“音楽家は演奏することで義援するべきだ”という考えといろんな意見が交錯しておりましたが、私は後者を採択し、その趣旨に賛同してくれた多くの方とチャリティーライブをやって義援金を送ることができました。今年もこの震災のことを忘れ去らないように、そして音楽がこれに対して何かができる喜びを賛同者たちと分かち合ってゆくべく、震災の当日にまたチャリティーライブを開催させていただきます。去年と同じく音楽やって聞いて飲んで食って、その利益の全てが義援金となります」という思いを受け取り、当日は共感したミュージシャンたちが来場。八王子で活動している地元ミュージシャンや中国人留学生バンド、筋肉少女隊のコピーバンドなどバラエティに富んだ顔ぶれが次々とステージに立った。

 中でも注目を集めたのは1980年代の人気バンド「夢工場」の登場と、ビートルズのナンバーを披露した曾我泰久(THE GOOD−BYE)、渡辺英樹・田口智治(ex.C−C−B)、五十嵐公太(ex.JUDY AND MARY)で組んだ(なんと、リハーサル無しの)即席バンドのプレイ。ベテランミュージシャンに負けじとばかりに、クラブシーンで活躍するMAZ!Qがパッショネイトなダンスミュージックで、クラシック楽器をポップに奏でるsourcesが躍動感たっぷりの演奏で、観客を魅了したのも印象的だった。

 最後を飾ったのは、曾我泰久(THE GOOD−BYE)・風祭東(ex.ALWAYS)・大島賢治(ex.THE HIGH LOWS)の実力派で結成した3ピースバンド、The Paisleys。カバー曲「気になる女の子」「White Room」ほか、オリジナル曲を披露した。「音楽で多くの人とつながっていきたいし、人々がひとつになるために音楽が必要とされるならうれしく思います。被災地が復興に向かうために、みんなが一丸となって前進していかなければいけない。その要因になるのは笑顔だと考えています。音楽を通して、みんなが笑顔になれたらいいですね」という曾我の言葉でステージが締められ、「年に1回と言わず、また集まりましょう!」と呼びかけた。

 主催者・ファンキー末吉(爆風スランプ)の発表によると、この日集まった義援金や売り上げは271,544円となり、日本赤十字社を通して被災地へ届けられる。出演ミュージシャンと観客が音楽を柱に、心をひとつにして被災者を思い、復興を願う一日となった。(取材・文責:饒波貴子)