再び不祥事が起こったら、協会のサイフは間違いなくパンクだ。2月22日、相撲協会は理事会と評議員会を開いて、平成23年度の収支決算を公表した。4年連続の赤字で、その赤字幅がなんと過去最大の48億8600万円だった。
 「去年は八百長問題で春場所が中止に追い込まれた上、続く夏場所も技量審査場所として無料公開にした。NHKの中継も取り止めになるなど、2場所で1銭も収入がなかったので、協会関係者もある程度の赤字は覚悟していたようです。しかし、これほどの大幅赤字は予想外で、みんな驚いていました」(相撲担当記者)

 収入減はこの2場所分だけにとどまらない。再開された7月の名古屋場所や9月の秋場所、11月の九州場所もファンに見放されて館内は閑古鳥状態。これでは親方や力士たちが役員報酬の自主返納や賞与をカットしても追いつくはずがない。2億円あまりは節約したものの、人件費の総額が108億5700万円にも上り、これに春場所の相撲案内所や巡業中止による勧進元(主催者)への補てんが4億円近くも重なったため、赤字額が拡大した。これをどう補てんするのか。
 「相撲協会には、現金だけで30億円近い貯金があり、両国国技館の土地、建物などを含めると、評価額で375億8700万円もの財産がある。これぐらいの赤字額ではビクともしないよ」
 と胸を張るノーテンキな親方もいるが、今回もその貯金を11億円以上も取り崩したため、残高は17億円にまで下がるなど、もうフトコロはかつてのヌクヌク状態ではない。

 このピンチを切り抜けるには、1日も早くファンの信頼を回復し、観客増を図るしかない。1月末、再登板した北の湖理事長が真っ先に3月11日から始まる春場所担当部長に人気者の貴乃花親方を任命したのもそのためだ。
 「ここで、周囲の期待に応えて場所を成功に導けば、貴乃花親方は一躍大ヒーロー。将来の理事長への展望も大きく開けるだけに、自ら吉本新喜劇に乗りこんでPRに励むなど、必死です。北の湖理事長も、よくがんばっているじゃないか、と目を細くしていますが、まだ貴乃花親方が公約した15日間オール満員御礼にはほど遠い状態。ヒーローになる道は簡単ではありません」(協会関係者)

 傾いた屋台骨を立て直すのは容易ではない。