試合 :セリエA 第27節
開催日:2012年3月9日
結果 :インテル勝利
スコア:「0−2」
得点者:サムエル ミリート

○ キエーヴォ

FW:テロー ペリシエ サンマルコ
MF:ブラッドリー リゴーニ ダ・コスタ
DF:ドラム アチェルビ アンドレオッリ フレイ
GK:ソレンティーノ

FW:テロー モスカルデッリ ダイネッリ
MF:ブラッドリー リゴーニ ヘテマイ
DF:ドラム アチェルビ アンドレオッリ フレイ
GK:ソレンティーノ

○ インテル

FW:フォルラン ミリート
MF:スナイデル
MF:ポリ スタンコヴィッチ サネッティ
DF:長友佑都 サムエル ルシオ マイコン
GK:ジュリオ・セザル

FW:パッツィーニ ミリート
MF:スナイデル
MF:カンビアッソ スタンコヴィッチ サネッティ
DF:長友佑都 サムエル ルシオ マイコン
GK:ジュリオ・セザル


代表戦に来る前からコンディションが落ちていて、ウズベキスタン戦でもコンディションが悪く、代表戦後の試合にも右SBでスタメン出場し、やはりそのコンディションの悪さから2失点に絡んでしまいました(但し、サネッティを左SB、長友を右SB、というスタメン起用は謎でした)が、この試合では回復しつつあるかな、という感じでした。

しかし、代表戦前の試合でも、代表戦でも、コンディションが悪いなりには良いプレーを見せていて、パッツィーニが決めてくれれば、という決定的なセンタリングを上げた試合が2試合ありました(どちらも超が付くほど決定的だった)し、長友のパフォーマンスというのは、他のインテルの選手に比べれば安定していると思います。

この試合で言えば、特にパフォーマンスが悪かったのはマイコンで、その次に悪かったのはポリでした。マイコンは怪我がちになっており、また、年齢的なものなのか何であるのか、スタミナ不足も顕著で、最近はプレーに精彩を欠いている事が多いですね。ルシオとマイコン、この2人のブラジル人選手というのは、もう全盛期を過ぎてしまっているのかなと思います。

ポリに関しては、頑張って守備もしていましたが、前からプレスをかける時に、まだ周囲の選手とのタイミングが合っていなくて、行かなかったり遅れたり、というシーンが目立ちました。そして、終盤にはスタミナ切れも起こしてしまっていて、「4−3−1−2」のサイドボランチをやっているのですから、もう少し運動量も欲しいかなと思います。

スナイデルは少しずつですが調子を取り戻しつつあり、また、スタンコヴィッチは、モッタと比べれば守備面では効かないながらも、ボールを捌けるという部分では同質なものがあるので、彼がアンカーの位置で恒常的に出場できるようになれば、今以上にコンディションを上げて行ければ、それで少しはチーム状態が上向いてくるのではないかなと思います。

問題は2トップで、ミリートは良いと思うのですが、もう1枚、フォルランかパッツィーニか、この2人が安定しないですね。パッツィーニだとミリートと被るところがあって、この2人だとミリートがサイドに流れがちになり、それでもパッツィーニの決定力が高いならば良いのですが、今はそうではないので厳しいところですね。

フォルランとミリートだと、ミリートがストライカー的に動き、フォルランがサイドに流れたりしながらボールを引き出す、という部分では良いのですが、まだフォルランが周囲の選手とフィットしていないので、そこが大きな問題ですね。個の力はやはり高いので、フィットしてくれば機能性は高くなると思いますが、そのきっかけがまだ見えてきていないかなと思います。

特にフォルランは左に流れる事が多いので、スナイデルであったり、長友であったり、特にその2人とのコンビネーションが確立してくれば、という事を思います。理想を言えば、スナイデルとフォルランで起点を作り、そこに長友がオーバーラップをかけて左サイドを崩す、という形を成熟させて欲しいですね。その3人で距離感のバランスの良いトライアングルを作って欲しいと思います。

という事で、長友個人のこの試合でのパフォーマンスについては、絶好調の時よりは落ちていますが、それでも1対1での競り合いの強さや運動量は健在で、また、ビルドアップの時の視野にも広さが出てきていて、安定感は増してきているように思います。むしろ、2失点に絡んだ前節は、特別に悪かっただけだと思います。チーム状態は悪いですが、それに惑わされる事無く、長友にはこのまま成長を続けて欲しいですね。