石油編

業界トレンドNEWS Vol.122

バイオガソリン、WTI原油とは?業界志望者要チェックのキーワードも紹介!


■自動車需要の減少などで国内市場は縮小傾向。業界再編と「総合エネルギー業への脱皮」が焦点に

石油業界は、原油の探鉱や油田からの採掘などを行う「川上」と、原油の精製や石油商品の販売を行う「川下」からなる。「川上」を手がけるのは、エクソンモービル、ロイヤル・ダッチ・シェルなどに代表される欧米の「石油メジャー」や、サウジアラビアのサウジアラムコなど産油国の国営企業。また、日本の総合商社などは原油権益の確保などを手がけており、「川上」ビジネスの一角に食い込んでいる。一方、製油・元売り・販売という「川下」を担っているのが、JXホールディングス、出光興産、コスモ石油、昭和シェル石油、東燃ゼネラル石油といった国内企業だ。

自動車利用者数の減少やエコカーの販売拡大、出生率の低下および高齢化の進展による需要家の減少、地球温暖化対策による石油利用の抑制などにより、国内の石油需要は右肩下がりの傾向。石油連盟の公表資料「今日の石油産業2011」によれば、2009年度の国内需要は1億9493万キロリットル。2000年度(2億4322万キロリットル)に比べ、約2割も減少した。11年3月の東日本大震災の影響で多くの原子力発電所が稼働を停止したため、現在は電力向けの需要が急拡大。しかし、これは一時的な影響と考えられ、長期的な石油需要は縮小することが予想されている。

こうした中、各社は経営の効率化・合理化を目指して業界再編を進めてきた。特に大きな衝撃を与えたのが、10年4月、新日本石油と新日鉱ホールディングスが経営統合してJXホールディングスが誕生したこと。10年度における同社の売上高は9兆6344億円で、業界2位の出光興産(3兆6593億円)を大きく上回っている。石油業界は設備過剰な面が大きく、再編により貯蔵設備や精油所、ガソリンスタンドなどの合理化が進めば、業務効率の改善が見込める。そこで、JXホールディングス以外の企業が、他社との業務提携・経営統合の道を探る可能性は十分に考えられるだろう。さらに12年1月には、エクソンモービルが東燃ゼネラル石油の株式を手放し、日本事業から事実上撤退する方針だと報道された。これが引き金となり、大きな業界再編が進むこともありうる。業界志望者は、ぜひ注目しておきたいところだ。

国内需要が減っている状況に対応するため、新規ビジネスや海外市場への取り組みも活発になっている。例えば、JXホールディングスの子会社であるJX日鉱日石エネルギーは12年2月、機能性化学品の開発・販売強化を目指して担当組織を強化すると公表。また、昭和シェル石油が国内の太陽電池事業を強化したり、出光興産が有機EL分野で台湾メーカーと協力したりするなどの動きも、非燃料分野に進出して「総合エネルギー企業」へと変身する取り組みの代表例と言えるだろう。そして、産油地での探鉱権益取得によって「川上」に進出したり、国内で培ったノウハウを生かして海外の石油販売に乗り出したりする企業も現れている。

環境問題への対応も、業界にとって重要な課題だ。二酸化炭素排出量を産業分野別に見ると、石油業界は電力、鉄鋼、化学に次ぐ4番手。ほかの産業は、排出取引制度への参加に前向きな態度を示すなどの対応を進めており、石油業界全体としても環境問題への対応が求められそうだ。