のぞいてみたい ユニークな“虫の世界”

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 カブトムシ、クワガタ、セミ…。
 子どもの頃、虫採りをして遊んだことがある人は多いだろう。しかし、採って飼っただけではわからない虫の習性や生態はたくさんある。

 『ご近所のムシがおもしろい!』(谷本雄治/著、岩波書店/刊)では、ミミズやアメンボ、カエルなど、昆虫から「虫へん」のつく小動物まで、ムシのユニークな習性、生態系での役割を知ることができる。
 プチ生物研究家・谷本氏が写真やイラスト満載でムシの世界を案内する。

 例えばガーデニングが趣味という人がよく遭遇するのがミミズだ。
 ミミズは生きた耕うん機となって動き回り、地面の下に迷路のような道をこしらえる。その道が植物の生育に適した団粒構造の役割をする。えさにするのは、地表部に落ちた落ち葉などだ。ミミズはスリムながら大食漢で、毎日、体重分のえさを食べ、半分を糞として排出するという。農場試験場などの研究によると、その糞には多様な酵素が含まれており、30種類以上を越すアミノ酸も検出され、植物の根が吸収しやすいカリウムが多いこともわかってきた。
 糞には悪臭を吸い取る力もあり、工業利用もされる。死んでしまっても、窒素成分として作物に吸収されるという。

 一方、赤いボディに黒い水玉模様が最初に思い浮かぶテントウムシだが、日本では「天道虫」と表す。指にとまらせて、トコトコと歩いて指先に達し、大空に飛び立っていく。それがいかにも天への道すじを教えてくれるといところから天道虫という名前がついた。神聖な虫なのである。

 梅の花が咲き、寒かった冬も終わり、春の訪れが目に見えるようになってきた。そんな季節には、散歩するのも気持ちが良い。そして、花や草、道端・・・いたるところで虫を見かけるはずだ。本書を読んで散歩に出かければ、近所の小さな生き物たちの新たな一面を発見できるかもしれない。
(新刊JP編集部)



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