――この映画を試写した時に、私は子供の時によく見た宇宙を解説する漫画を思い出したのですが、お二人は完成品をご覧になってみてどんな感想を持ちましたか?

藤原:変に難しくせずに、本木監督が年齢・性別問わず、多くの人に受け入れられるような作品にしてくれたと思いましたね。どんな人が観ても良い、まさにファミリー映画として、しっかりと僕らも伝えることができると思いました。

:宇宙の映像は、撮影とは全く別のパートだったので、完成品を観て、まず驚きました。あとは、やっぱり自分が参加させていただいたシーンもそうでないシーンのキャラクターも本当に愛おしくなりました。それは、皆さんもそうですし、監督が一人一人のキャラクターに愛情を持っているんだなということがすごく感じられたからだと思います。子供もそうですし、大人が観ても「あ、すごく良いな」とか、宇宙のことが分からなくてもすごく分かりやすく理解できる映画でもあるし、人間ドラマも過去と現在と未来が繋がった作品で、すごく素敵だなと思いました。

――今回、3D映画でしたが、撮影で何かいつもと異なる点はありましたか?

藤原:僕らに対する規制はないですね。カメラから1メートルくらい離れてお芝居をしてくれ、ということくらいだったので、あとは特に大きな変化はなかったよね?

:私は、女性のキャラクターで、光沢のあるキラキラする物をつけていると奥行きが感じやすいみたいなことを監督から言われて。

藤原:着けてたね。

:だから、毎回必ずイヤリング、ネックレスをしていました。

――3D映画としての出来上がりは、ご覧になっていかがでしたか?

藤原:非常に良いとは思います。疲れるかなと思っていたら全然疲れなかったですし。まさに、このはやぶさの世界観、宇宙を表現するのには3Dというのは確実なものだったんじゃないかなと思いました。

:宇宙とか宇宙空間を飛ぶはやぶさとか、そういうスケール感というのは、3Dじゃなきゃ描けない臨場感があったと思います。あとは、JAXAやいろいろと関わっている人たちが本当に多かったので、大勢の人数が想いを馳せているというところも3Dならではの臨場感がすごくあったような気がしました。

――JAXAで何か発見はありましたか? 珍しいものを見つけたりしましたか?

藤原:僕は、見るもの全てが初めての経験だったので、非常に勉強になりました。実際に、イオンエンジンの開発している部屋に入れてもらったり。普通に生活をしていたら入れないような場所じゃないですか。子供のようにわくわくしました。

――その中で1番わくわくしたものは何ですか?

藤原:イオンエンジンは、やっぱり実際のものを見させてもらった時に興奮しました。暑い中、みんなが大変な細かい作業をして、こうやって一つ一つ積み重なって、こういうすごいことを成し遂げたんだなと思いました。

――今回初共演ですが、お互いの感想をお聞きかせください。撮影前後でイメージの違いはありましたか?

藤原:もう、杏ちゃんはこのままですよ。素敵な方! あんまり気持ちこもってなかった?

:(笑)

藤原:現場を励ましてくれて、その役を自然に表現する方。僕が今まで共演している同世代の女優さんや俳優さんにはないようなナチュラルさを持っている人じゃないかなと思います。

――杏さんはいかがですか? 藤原さんは、芝居に対してストイックなイメージがあったりしますけど。

:おっしゃったような、ストイックなイメージとか、いろいろな作品によってガラッと変わっちゃって、すごい人だなという印象を受けていました。撮影の合間に気さくに話してくださる感じとか、場をまとめてくださったりとか、とにかくすごくお話していて楽しくて。一緒にやらせていただいて、そのギャップが思い出に残っています。