絆をつくるディズニーランドの小さな工夫

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 1983年に開園した東京ディズニーランドは今もなお、子どもからお年寄りまで様々な人に夢を見せる日本屈指のテーマパークとして人気を博しています。
 そこで働く人たちを「スタッフ」ではなく「キャスト」と呼ぶことは多くの人に知られていますが、キャストたちのホスピタリティの高さにたくさんの企業が学びを求めています。昨年の東日本大震災発生時のキャストたちの自発的なゲスト(客)たちへの手厚いケアは話題となりましたね。

 そんなディズニーランドですが、実はキャストがゲストを直接コミュニケーションできるような工夫が随所に施されているといいます。それらの工夫を、『ディズニーの絆力』(鎌田洋/著、アスコム/刊)からご紹介します。

■案内板の数を少なくする
 ディズニーランドは他のテーマパークと比べ、案内板の設置数が少なめになっています。それはキャストとゲストのコミュニケーションを促すため。ゲストはトイレの場所やアトラクションの入り口を探してキャストに声をかけますし、一方のキャストはゲストが困っていたら積極的に話しかけます。
 自分のことを気にかけてくれる人の存在がいると、なんだか安心した気持ちになりませんか? キャストとゲストのひとつひとつの接点が絆を育みます。これは、ウォルト・ディズニーの「すべてのゲストはVIP」という考えが土台となっているものだそうです。

■「いらっしゃいませ」とは言わない
 ディズニーランドのエントランスで働くキャストの挨拶をよく聞いてみてください。普通のお店のように「いらっしゃいませ」という言葉は使わず、朝なら「おはようございます」、お昼は「こんにちは」、夜は「こんばんは」と挨拶しているはずです。
 これは、入園したゲストが返しやすい挨拶を心がけているからで、ウォルト・ディズニーが初めてディズニーランドを作ったときから受け継がれている伝統でもあります。挨拶も、コミュニケーションを生むための一つの工夫なのです。

■ディズニー流のクレーム対応術
 夢の国でも、クレームは発生するもの。そんなときのキャストの対応の鉄則は「申し訳ございません」と謝罪し、ゲストの言い分をしっかり聞くこと。禁句は「規則ですから」。きちんと耳を傾け、「あなたと私」という関係を築くことで、解決の糸口が見つかると鎌田さんは言います。
 また、危険なことをするゲストには注意を促さないといけないときがありますが、そのときは「何々してはいけません」ではなく、「何々していただけますか」と話しかけ、必ずその理由も付け加えます。柔らかい口調で守ってもらうべきルールを伝える。ゲストと戦ってしまっては、絆は生まれません。

 本書はディズニーランドがゲストたちを魅了する理由を、初代ナイトカストーディアル・トレーナー兼エリアスーパーバイザーの鎌田洋さんがつづっています。
 他人に喜びを与えるために、積極的にゲストに働きかけるキャストたちの姿や、コミュニケーションを生むためのちょっとした工夫は、人材育成や組織経営の場においても参考になるはずです。
(新刊JP編集部)



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