自分の老後は自分で守る 30代からの「自分年金」

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 消費税とならぶ国民注視の「年金問題」ですが、最近ではAIJ投資顧問が企業などから預かっていた約2100億円の資産の9割を消失させていたことが明らかになるなど、年金に対する不信感は増す一方です。さらに現在、上場企業の半数以上が、退職金や年金支払いのための積み立て不足という深刻な事態を抱えているともいわれています。
 特に今の30代は、少子化の影響による人口構成の変化から、自分たちが高齢者になったとき年金を受け取れない可能性があると指摘されています。それが現実になるかどうかは、今後の政府の対応次第ですが、楽観的に将来を見通すことはできないでしょう。

 経営コンサルタントの岩崎日出俊さんは『自分年金をつくる 今からでも遅くない!』(KKベストセラーズ/刊)で、現在の年金制度が完全に破綻してしまうということはないとしながらも、それでも「自分年金」をつくることを提案します。

 「自分年金」とは、公的年金を補完するものとして自分で積み立てるもの。「どうせ年金制度は崩壊するのだから、全て自分年金で補えばいい」と考える方もいるかも知れませんが、平均的な企業に勤める人が、月に30万円もの自分年金をつくることはとてもできません。働けなくなっても死ぬまでもらえる公的年金をみすみす逃す手はありません。
 そこで、岩崎さんは自分年金として月額7万円という目標額を設定します。つまり定年退職後、一ヶ月7万円分を「自分年金」として引き出せるようにするのです。老後の生活を支える基本はあくまでも公的年金とし、その上で将来、年金支給開始年齢引き上げや支給額の減額というリスクにも備えようというわけです。
 一方、退職時に退職金を含めて手元に3000万円のまとまった老後資金があれば、95歳になるまでの35年間、毎月7万円ずつ引き出すことも可能となります。
 そこで、この「自分年金」はできるかぎり早めに始めた方がお得になるといいます。なぜなら、40代や50代になると、高校や大学に通う子どもの教育費や住宅ローンが発生して出費がかさむ可能性があり、将来への蓄えどころではなくなります。その意味で、スタートが早ければ早いほど充分な時間をかけて「自分年金」を積み立てることができるため、目標額が同じでも負担(掛け金)が少なくなるのです。もちろん40代や50代でも始めることは可能ですが、40代以前に始める方がだんぜん有利です(本書内の比較表を参照のこと)。
 本書では、「自分年金」をつくりだすための方法として、「企業年金」「投資信託」「年金保険」「ワンルーム・マンション」「グローバル企業株」という5つの資産形成の方法を取り上げており、その中から自分に合うものを探していけばいいといっています。
 少子高齢化が進み、逆ピラミッド型の人口構成が進む日本。さらに信頼することの難しい政府の年金制度。そうした中で、出来る限り早いうちから対策を講じておくことが望ましいのは明らかです。「老後のことなんてまだ考えられない」という30代の方々も、「自分年金」の積み立てを少しずつ進めてみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)



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