DSC_0228

3、4日と女子野球日本代表候補者決定トライアウトに行っていた。

会場では、選手や各チームの関係者、保護者の方々など、
懐かしい顔ぶればかり。
「最近、女子野球の原稿を書いてないじゃないですか」と、
数名の方に言われた。これからは、もっと書きます(笑)。

以下、合格者24名。

【投手】
磯崎由加里(尚美学園大学)
新宮有依(平成国際大学)
有坂友理香(アサヒトラスト)
里彩実(尚美学園大学)
坂本加奈(マドンナ松山)
中島梨紗(侍)
花ヶ崎衣利(蒲田女子高校)
小出加会(埼玉栄高校)
吉井萌美(埼玉栄高校)
矢野みなみ(前東芝北九州ソフトボール部)

【捕手】
高島知美(平成国際大学)
西朝美(アサヒトラスト)
直井友紀(侍)

【内野手】
大山唯(尚美学園大学)
六角彩子(侍)
中野菜摘(尚美学園大学)
金由紀子(ホーネッツ)
新井純子(尚美学園大学)
山崎まり(アサヒトラスト)
片岡安祐美(茨城ゴールデンゴールズ)
出口彩香(尚美学園大学)

【外野手】
柳谷優花(ホーネッツ)
萱野未久(sirius)
志村亜貴子(アサヒトラスト)



さて、上の写真は本日、見事に合格した4選手。
左から、直井、六角、磯崎、新宮選手。
いずれも、埼玉栄高校の卒業生で同学年。

彼女たちが1年のとき、埼玉栄を取材していて、
磯崎、六角、新宮、それぞれの才能に驚いた。
この3人は、それまで見てきた選手に比べて、
ひと際、その才能が輝いて見えた。

この頃の直井さんについては、残念ながら印象にない。
それも、そのはずだった。
埼玉栄の鈴木コーチによると、この頃の直井さんは
「目も当てられない状態だった」ということだった。

その後も、僕はこの3人に注目を続けていた。
そして彼女たちは順調に成長して3年生となった。

2009年夏、僕は彼女たちの「最後の夏」を見ようと、
兵庫・市島の最後の夏の大会に出かけた。
埼玉栄高校の宿舎にお邪魔し、それぞれに話を聞いた。

このとき初めて、直井さんに話を聞いた。
新宮、磯崎という屈指の好投手をリードする「女房役」は、
同級生たちをどう見ているのか知りたかった。

僕は直井さんの話す内容に夢中になった。

このときの直井さんの話は、実に「男前」だった。
今でも、このときの取材音源はとってあるけれど、
ここまで気持ちのいい話をする18歳には、
彼女以外に出会ったことはない。

そして、最後に彼女は言った。

「どんな結果に終わろうとも、私は絶対に泣かない!」と。

その翌日、埼玉栄は決勝で花咲徳栄に負けた。
敗戦が決まった瞬間から、直井さんの動向に釘付けとなった。

確かに、彼女は泣かなかった。
しかし、その目は涙でいっぱいだった。

それでも彼女は涙がこぼれそうになると、
みんなから離れて、ひとりで空を見上げていた。
「涙をこぼすまい」という強い意志が、その姿から感じられた。

あのとき、「大学進学を機に野球をやめる」と語っていた。
しかし、その後も野球を続けて、今回見事に代表候補になった。

今回の合格者それぞれに、ドラマも思い入れもあるけれども、
その中でも、もっとも感動したのが今日の直井さんの合格だった。
西、高島という強力な大先輩を前に、ぜひ奮闘してほしい!


さぁ、8月のカナダ取材に向けて、
僕自身の取材態勢もきちんと整えなきゃ!