3・11でも忘れなかった“ディズニーの精神”

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 昨年3月11日に起きた未曾有の大災害「東日本大震災」。首都圏では帰宅困難者が続出し、人数は約10万人にのぼりましたが、その中で話題になったのが、園内にいた約2万の帰宅困難者を手厚くケアした東京ディズニーランドです。
 きめ細かいサービスを提供することで知られるディズニーですが、今回の震災でもゲストに対して柔軟な対応をとり、翌日交通機関の運行が再開されるまで、ゲストに対し園内のレストランや劇場などの屋内施設を開放したほか、東京ディズニーランドで売られているおかしやぬいぐるみなどの商品をゲストに無償で配布したといいます。

 こうした対応の裏には、キャストと呼ばれるスタッフたちの優れた判断と頑張りがありました。キャストの9割がアルバイトでも、有事にそれぞれが自発的に動き、自分のすべきことをしっかりとこなす。このディズニーのホスピタリティは、学校教育や企業の組織運営における人材教育にも強く影響を及ぼし、多くの企業が学ぼうとしています
 そうした背景を受けて、今、“ディズニー本”と呼ばれる様々なビジネス書が出版されています。その中でも、物語調で書かれ、子どもから大人までディズニーが持つホスピタリティのエッセンスを理解できる本が『ディズニー そうじの神様が教えてくれたこと』(鎌田洋/著、ソフトバンククリエイティブ/刊)です。
 では、ディズニーランドのホスピタリティの本質はどこにあるのでしょうか。

 著者の鎌田さんは初代ナイトカストーディアル・トレーナー兼エリアスーパーバイザーとして東京ディズニーランド開園を迎え、その後、オリエンタルランド全スタッフの指導、育成を担当しました。
 カストーディアルとはディズニーランドの清掃にあたっているスタッフのことで、直にゲストと触れ合えることから、今や花形ともいえる仕事となっています。
 しかし、鎌田さんは開園当時、まさに「裏方」というイメージだったといいます。それが今では多彩なパフォーマンスでゲストを楽しませつつ、パークの清掃や案内をするディズニーの中でも一番人気の職種になりました。こうした変化こそがディズニーの素晴らしさの本質のひとつであると鎌田さんは主張するのです。

 無名なキャストでも純粋にゲストを笑顔にできる、見えない場所でも「自分にしかできないこと」を一生懸命する。そのホスピタリティの本質が、震災の際にも発揮されたといえるのではないでしょうか。
 ウォルト・ディズニーは「あなたができるすべてをしてあげなさい。そしてできる限りきれいにしなさい」「感動の源泉、それはイノセンス=純粋無垢にあるのだ」という言葉を残していますが、それを愚直に実践するディズニーランドから学べるところは大いにあるはずです。
(新刊JP編集部)



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