オーディオブックにブームの兆し? シニア層向けコンテンツも拡充

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 近年、ビジネスパーソンを中心に“オーディオブック”が少しずつ普及しはじめている。
 オーディオブックとは書籍を音声化した作品のことで、物語そのものを楽んだり、すきま時間にできる学習手段として使ったりと、各々のライフスタイルに即した利用の仕方が可能だ。こうしたニーズにともない朗読スタイルも多様化しており、一人で朗読するものだけではなく、複数の演者たちによるラジオドラマ形式の作品や、人気声優やアイドルなどを起用した作品なども用意されている

 日本のオーディオブック配信サービス最大手となる「FeBe(フィービー)」は、2007年1月のオープンから5年間で会員数7万人を突破。7000作品以上のオーディオブックを配信し、一ヶ月に1万2000冊以上を売り上げているという。
 その「FeBe」を運営する株式会社オトバンク主催のもと、2月28日、東京・丸の内で「第3回オーディオブックアワード」が開催された。この「オーディオブックアワード」は、前年に最も輝いたオーディオブックを表彰するもので、今年で3回目となる。

 2011年最も輝いたオーディオブックに贈られる「オーディオブック・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたのは水野敬也さんの『夢をかなえるゾウ』(飛鳥新社/刊)。壇上に立った水野さんは「何か朗報はないかなと思っていたところだったので、正直とても嬉しい。最近飛行機に乗ったときに『走れメロス』のオーディオブックを聴いて号泣した。今後もオーディオブックに期待している」と笑いを交えながら喜びを語った。
 他に、優秀作品賞として、前回「オーディオブック・オブ・ザ・イヤー」を受賞しながらなお根強い人気を誇る『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(岩崎夏海/著、ダイヤモンド社/刊)が、審査員特別賞として『人生がときめく片づけの魔法』(近藤麻理恵/著、サンマーク出版/刊)が受賞した。

 また、オトバンク代表の上田渉氏は、2012年度には会員10万人超を目指すとし、ユーザーからオーディオブック化の要望が多い海外のベストセラー書籍の版権獲得や、女性やシニア層が好むジャンルのコンテンツを拡充していくことを表明。特に60歳以上のシニア層の利用については、会員数が2009年から2年間で2倍になっていることを挙げ、シニア層向けのサービスを充実させていきたいとした。
 さらに、オーディオブックを含めたあらゆる音声コンテンツを管理・カスタマイズできるiPhoneアプリ「Kiku Player」のリリースも発表され、スマートフォンユーザーに向けたアプローチを行いながら、幅広い展開を見せていく考えだ。

 ほかに直木賞作家、志茂田景樹氏による『盲導犬のんのんのかたみ』の公開朗読会や、iPhone対応アプリ「聴く日経アプリ」のリリース発表会見なども行われ、盛況のうちに幕を閉じた「第3回 オーディオブックアワード」。
 徐々に成長するオーディオブック市場の牽引役として期待される「FeBe」。来年はどのようなオーディオブック作品がオーディオブック・オブ・ザ・イヤーを受賞するのだろうか。
(新刊JP編集部)

■「第3回オーディオブックアワード」受賞作品一覧
【オーディオブック・オブ・ザ・イヤー】
『夢をかなえるゾウ』
(水野敬也/著、飛鳥新社/刊、影平隆一 大川透ほか/ナレーター)

【優秀作品賞】
『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』
(岩崎夏海/著、ダイヤモンド社/刊、仲谷明香/ナレーター)

【審査員特別賞】
『人生がときめく片づけの魔法』
(近藤麻理恵/著、サンマーク出版/刊、みやきかのん/ナレーター)

【ビジネス書部門大賞】
『伝える力』
(池上彰/著、PHP研究所/刊、西村不二人/ナレーター)

【文芸書部門大賞】
『池袋ウエストゲートパーク』
(石田衣良/著、文藝春秋/刊、遠藤大輔 奥村翔ほか/ナレーター)

■「FeBe」
http://www.febe.jp/


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