ソーシャルよりも顧客とダイレクトにつながるメディアとは

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 2000年頃を境に、企業のマーケティングは大きく変化した。国内でも経済の不透明さが増して消費がより冷え込み、また先進国各国では市場の成熟化によって、若者の消費欲が希薄化し、従来のマスメディアに頼ったマーケティングモデルに限界がきた。
 そうした背景を受けて成長してきたのが、広告などの「ペイドメディア」、FacebookやTwitterなどの「ソーシャルメディア」である「アーンドメディア」、そして自社の「オウンドメディア」を組み合わせて活用するトリプルメディア論が効果的なマーケティング戦略の一つとして有望視されている。

 クラウド型CRMの専業会社の創業者として、日本マクドナルド社などの大手の外資企業向けにケータイを使った自社サイトサービスを提供した実績を持つ、株式会社ユラスの代表取締役の井浦知久氏。
 そんな井浦氏が執筆した『オウンドメディアマーケティング』(宣伝会議/刊)は、「オウンドメディア」を使ったマーケティング手法やこれからの企業マーケティングのあり方についてつづられた一冊だが、そもそも「オウンドメディア」とは一体どのようなものなのか? 井浦氏の定義によると以下の通りになる。

「企業が事業主体となって顧客との直接的な関係性を築き、顧客に対し一方向または双方向による継続的な情報の交換を通じて、売上げに寄与する自社所有メディア」(p47より)

 「企業のメッセージを発信するツール」(店舗、広報誌などを含む)という従来の枠を越えた、マスメディアでは不可能だった「顧客との直接の対話と関係性を創造する自社メディア」、つまり「自社サイト」のことである。そして、その自社サイトを通じて企業と顧客がダイレクトにつながり、継続的に企業の売上げを拡大できる最善の方法が「オウンドメディアマーケティング」である。
 TwitterやFacebookといった「ソーシャルメディア」のアカウントを取得し、顧客とのつながりを生むために運用する企業は多いが、井浦氏は「ソーシャルメディア」を補完的役割と位置づけ、「オウンドメディア」と連携して取り組んでいくことが重要だとし、さらに、同時にビデオ技術や人工知能、ゲーミフィケーション、モバイルウォレット(NFC)などの時代のイノベーションを「オウンドメディア」に取り込むためのヒントをつづる。

 「ソーシャルメディア」によるマーケティングが熱を帯びる一方で、企業は他社のプラットフォームに依存することに限界を感じはじめている。そうした現状の中で、本書はウェブを使って売上に貢献する真のマーケティングの方法論を明示する。

 自社サイトはどの企業も設置していると思うが、単なるプレスリリースを流すだけのサイトになっているところも多いだろう。自社サイトにプラットフォームを構築し、顧客としっかり結びつき、彼らの顔を見て情報を提供し、顧客満足度をあげ、自社製品の購入に結びつける。それは「ソーシャルメディア」よりも強固で、それぞれ個性的だ。
 あなたの会社の自社サイトの運営はどうなっているだろうか。顧客との関係が見えているだろうか。まずはそこから見直してみることが「オウンドメディア」のスタートとも言えそうだ。
(新刊JP編集部)



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