中国・山東省徳州市内で28日朝、道端や溝で乳児とみられる遺体多数が見つかった。発見したのは道路清掃員で「こんなことをしてはいけない」と考えて、近くに埋めた。通りかかった市民や警察官も手伝った。事態を知った行政の衛生部門や警察が、改めて調査・捜査を始めた。中国新聞社が報じた。

 遺体がみつかったのは、徳州市内三八路岔河橋の南西側の道端と溝。清掃員によると、28日午前7時ごろ、歩道に「小さな動物」のようなものが落ちているのをみつけた。近づいて見ると乳児の遺体だったという。清掃員は「だれがしたのか分からないが、こんなことをしてはいけない」と考えて、近くに埋めることに決めた。

 作業を進めるうちに、近くにほかにも遺体が散乱していることが分かった。「医療廃棄物。感染性廃棄物」と書かれたビニール袋に入っている遺体もあった。全部で10体程度はあったという。

 通行人が集まりはじめ、うち何人かは清掃員を手伝い始めた。通りかかりの警察官も協力した。見つかった遺体はまとめて、近くの土の中に埋めた。

 事情を知った市の衛生部門と警察が、改めて調査・捜査を開始した。

 市内の病院に勤務する医師によると、1990年ごろまでは、乳児が死亡した場合、家族が病院関係者に謝礼を支払って、郊外に埋めてもらうことがあった。現在は乳児死亡率が低下したこともあり、火葬することが一般的になったという。(編集担当:如月隼人)