こんにちは。就職活動まっただ中のみなさん、寒い中毎日お疲れさまです。現在説明会や訪問を繰り返し、4月から本格的に選考に赴く方が多いと思います。
一方、プロセスは似ているけれどもスケジュールが異なるのが国家公務員試験です。「官僚の試験ってどんな感じなの?」という疑問に答え、今回は民間就活者にはなじみの薄い「国家公務員試験の受け方」についてご紹介します。「目指しているけど情報に疎いという」受験生も、「官僚とか興味なかった」という民間組も、進路を考える助けとして、ぜひ参考にしてみて下さい。



国家公務員とは



国家公務員のうち、エリートとして難関大生が目指すのが「国家公務員一種」(2012年から「国家総合職」)です。彼らは中央省庁の職員になり、様々な仕事を経験して日本を支える行政のプロになっていきます。特に就職先として人気なのが昔から言われる「五大省庁(財務、外務、経産、警察庁、総務省自治分野)」です。

昨今、「低給&多忙&バッシング」のトリプルパンチで少し人気が下降傾向とも言われる官僚ですが、上記のような人気省庁では今でも特に多くの志望者を集めています。皆、「日本の未来を変えたい」とうるさいくらい連呼しています笑

そして、難関を目指す人の中にはダブルスクール(国一対策のための予備校)に通っている人も多いです。ダブルスクールが提供するプログラムは多彩で、教養&専門分野における筆記試験のための講義や、それを突破した後に行われる面接試験(官庁訪問)に向けた対策講座などがあります。スクールでは業界に詳しい講師が勉強会を開催したり、現役官僚を招いたセミナーを開いたりするため、「業界研究」という点でも入学者にはメリットがあります。

もちろん独学で内々定を勝ち取る人が少ないわけでもありません。筆記試験は法律、経済…などそれぞれの専攻分野で受けられることが多く、大学での勉強がそのまま活かせる場合も多いです。また、彼らの為に省庁側も多数の説明会を開催し、仕事理解を勧めています。省庁の説明会は民間に比べ相当に数が多く、内容も説明会・懇談会・討論やワークショップなど様々です。受験生はこれらの方法で情報収集をしながら、春から行われる選考プロセスを待ちます。

官僚は法学部だけの進路ではない



伝統的なイメージでは、官僚は法学部生が多数を占める仕事だと思われているようです。確かに現在でも「法律職」といい、法律を専門分野として試験を受ける学生が全体の中でも多くの割合を占めています。
しかし省庁側は他学部の強み、院生の専門性、理系のタフさ(笑)を歓迎しています。受験生も、文科省に興味を持って色々調べていたら他省庁にハマった教育学部生、経済官庁のみに絞る経済学部生、専攻分野における日本の未来を憂い、「自分が制度設計する」という熱意を持った理系大学院生など、実は多様な人材が集まっているのです。

国家総合職のプロセス



では実際に受験する場合、どのようなプロセスを経て内々定に辿りつく事が出来るのでしょうか。順を追って説明していきましょう。

※2012年度から国家一種試験は「国家総合職試験」に変わります。その結果問題の内容、配分や科目に変化があるようです。また、これまで一括だった大学院生と学部生が分割され、院卒者・院卒見込み者向け試験には新たにディスカッションなどのプロセスが必須となります。プロセス・スケジュールは以下のものと異なる場合がありますのでご注意下さい。

例年4月1日から受験募集が始まります。「受験」でイメージされる高額な受験料がいらない点がありがたく、毎年数万人が5月から各大学キャンパスにて始まる一次試験に臨みます。一次試験では教養や専門分野に関しての択一問題が出されるため、多くの受験者が対策本や問題集を使って事前練習に勤しみます。法律職でも上位10%程度しか次に進めず、また最終合格は全てのプロセス(択一、論述、総合、口述)の合計成績で決まるため、最初ながら重要な試験です。

そこを通過すると5-6月にかけて論述・総合・口述試験があります。論述は法律など専門分野についての記述試験、総合は広く社会のテーマを扱い自分の意見等を述べる記述試験です。また口述は霞ヶ関で行われ、数十分かけて複数の中堅職員に詰められる面接試験です。いずれも民間就活の筆記や面接試験と大きく違うものではないですが、慣れるための参考書・ダブルスクールでの模試・面接練習を行う学生も多いです。チャンスがあればやっておいた方がよいでしょう。「民間就活を経験する事で、選考になれることができた」という方も多いようです。

以上の試験全ての合計成績で「最終合格者」が決まり、最終合格者は例年6月下旬に始まる「官庁訪問」に臨みます。ここでは面接が行われ、朝伺うとまず最初に民間と同じような「自己PR、学生時代にやったこと」をシートに記入します。(※省庁によってやり方は異なります)そこから一日一省庁、人によっては朝9時から終電まで面接が繰り返されます。もちろん飲食無しということはなく、昼食・夕食時にはその場にいる何人かずつでまとめられ、省内の食堂・コンビニなどに行くよう指示されます。最初に記入するシートに終電時間を書く欄があるのはそのためです。時間は長いですが待ち時間が非常に長く、実際の面談回数はそれほど多くありません。志望者はライバルたちと同じ待合室で一日の大半を過ごし、打ち解けたり敵意を見せたり(?)します。

省庁によって様々ですが、落とされるときは呼び出され人事担当者に直接告げられます。落とされる時間帯も日も様々で、一日目で落ちることも稀ではありません。無事通過した場合は一日の終わりに「次回来て欲しい日時」を書いた紙を渡されます。そうして何回もお参りに来た者が残ってゆき、内々定にたどりつくのです。

官庁訪問に必要なのは「慣れ」「省庁研究」でしょう。慣れは前述の民間経験や練習で培っておくべきです。また業界内で社風の違いがあるように、省庁によっても人の雰囲気は異なっています。経産省は最も民間に近い狩猟民族、自治は体力&コミュ力が揃った人が多い…などなど。また民間に比べると「真面目さ」「素直さ」がよりキーになっている印象です。やっている仕事の内容だけでなく、「どういう環境の中で自分が働くのか」を具体的にイメージする事で、より話の内容に説得力が付き内々定に近づくことができるでしょう。

七つの都市伝説



最後に国家公務員試験にまつわる有名な都市伝説(?)をまとめたので参考にして下さい(鵜呑みにはしないで下さい)。

1.説明会の参加回数がカウントされる


前述の通り省庁の説明会は数が多く、一つの省庁に20回以上通ったという猛者も出現します。省庁側も熱意を見るためにある程度重視していると考えていいかもしれません。

2.席次が重要


人気省庁などでは最終合格者のうち、上位合格者しか受からないとは良く聞かれる噂です。ただ省庁によって席次の扱いは一様でなく、重視するところもあればほとんど見ないところもあるそうです。

3.原課面談では落とさない



官庁訪問では秘書課の採用担当者との面談、オフィスに行って実際に働いている人に話を伺う面談(原課という)の二種類があります。合否には採用担当との話が重要で、原課では仕事の雰囲気や内容を知ってもらうのが目的、職員は受験者に細かく評価は付けない、などと言われることがあります。

4.一軍・二軍・三軍


省庁が全ての受験者を一通りチェックし終えると、指定された待合室の場所によって一軍、二軍…のように格差が出来るといわれています。一度固定された格差は解消しにくく内々定者のほとんどは一軍の場所から出るとか。もちろん省庁が「一軍が〜」というわけではありませんが、受験経験者に聞くとほぼ必ず格差の存在を認めています。

5.電凸


受験者は三つの省庁を回れるので、当然ながら優秀な受験者には省庁の側から手が伸びます。訪問を終えて遅くに帰宅すると、夜中でも人事からの勧誘電話が来たりするとか…

6.原課の序列



訪問して会う職員にも課長補佐<統括補佐<企画官のような階層が(様々な違いがありますが)存在します。やっている仕事内容と受験者の興味の範囲でマッチングされるようですが、やはり「上の人に会えた方が有利なのか」というのは待合室の議題に上ります。

7.職員訪問



試験に直接関係ないですが、省庁を知るためにOB訪問をする人もいます。企業に比べて、職員がなぜか学生と会うのに積極的…?などと噂されています。

おわりに



都市伝説や噂に惑わされず、逆に利用する心構えで臨みましょう。上にも書いていますが経験するプロセスは民間に近く、民間就活での経験をうまく生かせている人が有利になる場合もあります。
様々な経験や対策で自信を付け、慣れない場所でもしっかりアピールできる準備が大切です。

最近ではコンサルティングファームや投資銀行と国一を併願する例も多く見受けられます。外資コンサルの内定を持ちながらも経済産業省を受験して、結果官公庁に行く方も毎年一定数います。
一方、国一受験者の中にも、たまたま受けたコンサルに内定をもらってしまって試験を受けるのが面倒になってしまい、そのまま民間就職してしまう方もいます。
いずれにせよ民間トップ企業同様、優秀な頭脳が集結する場所であります。

あと1ヶ月で応募開始です。まずはペーパーテストに確実に通るよう、頑張ってください!

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